日々新たな感性

人間の感覚と言うのは、集中力を発揮するときに活かされるものです。今まで気にしなかったものが突然目に入ってきたり、今まで感じることがなかったことが突然感じられたりするのは五感が活用されているからでもあります。

例えば一つのことに集中していると、それに関する物事や出来事ばかりが繋がっていきます。同じ景色であったとしても、その人の観念によって見える景観が変わっていくのです。これはその時々の感性や心の様相でも変化していきますがその観える世界がどのようになっているのかを自らで確認していくことで自分自身を知るキッカケにもなるものです。

しかしこの集中は時として強い思い込みにもなったりします。もしも自分見た世界でのみ世界を視れば、その世界しか存在しないようにしてしまいます。それを価値観の窓ともいいいますが、自分自身の価値観でのみ物事を観ていたらその価値観だけを正しいと信じ込み真実や現実がたとえ事実と違っていても思い込んでしまうものです。

一度その価値観に囚われればその中でいくら考えてみても、自分の価値観を抜け出すことはありません。そうなってしまいと思い込んでいることが強すぎて誰の話も聴こうとはせず、何のアドバイスも受け容れることができなくなります。これを固定概念とも言い、自分がきっとこうだと思い込めば思い込むほどその思い込みの世界が実現するように五感が働いていくのです。例えば疑い出せばキリがないように、いくらでも自分の思い込みで見える世界を変換してしまうのです。

このように人間の五感も使い方次第で、善きにも悪しきにも使い分けることができるものです。しかしまずその五感を磨ぎ澄ますことが大切なことのように私は思います。五感を磨ぎ澄ますというのは、「思い込まないこと、先入観を持たないこと、自分の価値観に固執しない」ことです。

これを融通無碍ともいいますが、言い換えれば素直な心を持つということです。

素直な心があれば、こういう見方もあるんやなと思ったり、それも一理あると感じたり、間違っているのは自分かもしれない、非があるのは自分の方にもあったと素直に反省して自分の価値観を柔軟にして円熟させていくことができるからです。

人が生長するというのは五感を使って新しい世界を変革していくことだとも言えます。時代がどんなに変わってきても、それに応じて自分自身を変化させていくという柔軟性。この中にこそ、進化成長、温故知新の人間の自然の姿があるように思います。

五感を使わないで頭でっかちになんでも知識のみで補おうとする中に、心の用い方の訓練や感性の磨き方の必要があるように思います。本能が減退しないように、常に物事をゼロベースにしていくこと、常に本質は何かと深める工夫がその人をその人らしくしていくように思います。

子ども達のためにも、日々の変化を味わい愉しみながら日々新たに感性を磨いていきたいと思います。

  1. コメント

    目を閉じてみると、聞こえなかった音が聞こえ始め、香りの正体を知り、風の温かさを感じます。あるいは、季節を味わったり、指先の感覚によって今まで見えなかった世界が観えてきます。五感を研ぎ澄ましていくためには、もうひとつの条件として、心(の波動)が穏やかであることも重要です。そのためには小賢しい思考を止めなといけません。五感が鈍らないように、もう少し思考を止め先入観を廃する訓練が必要なようです。

  2. コメント

    今日感じて気づいたことを忘れてしまうかもしれません。そして、また思い出したように感じて気づいた時、そうだったと思い出します。そんな繰り返しですが、気づく度思い出す度にハッとします。きっかけその時々で異なりますが、大切にしていきたいその想いを大事にしていけるよう感じた感覚を一つでも実践に変えていきたいと思います。

  3. コメント

    子どもから学ぶのであれば、子どもに素直に聴く事。仲間から学ぶのであれば、仲間から素直に聴く事。自分自身を見ると、それが出来ずにいると、聴かずに思い込み、自分のその思い込みに都合のように耳を使い始めます。素直とは程遠い状態ですが、そんなときほど頭で考えてばかり。実践を積んで、素直な心で居続けられるように、子どもに耳を傾け、子どもを鏡に変わり続けていきたいと思います。

  4. コメント

    本当の意味で「何とかしてあげたい、力になりたい」と願うような気持ちになるほど五感は研ぎ澄まされていくのかもしれません。それは理念や初心から常にものを観るとみえる世界が変わってくるのと同じようにも思えます。自分の価値観なのか、理念や初心から観ているのか、まだまだ曖昧だと感じる時がありますが、それも受け入れつつ、本心からの行動を繰り返す中で近づいていきたいと思います。

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