全てのものには歴史があります。ここでの歴史とは学校で習ったような単なる知識ではなく、本来の歴史、つまり「今」のことです。全てのものには今があるのだから、この歴史は今とは切り離して考えるものではないことはすぐにわかります。
例えば身近でいえば「あなたの今の生きざまが会社の歴史になる」という言葉があります。これはあなたが今、会社で取り組んでいることが子孫まで歴史として繋がっているということです。また今いるところにも過去には沢山の人たちの人生や生き方、生きざまが凝縮されておりその延線上に自分が立っているとうことです。
今の自分が生活できるのは、かつて会社の歴史の中で一生懸命に貢献してくださった方々の御蔭様で今の自分が仕事をさせていただけているとも言えます。それを忘れるのは歴史を忘れることでそんな根無し草では養分をいただくこともできなくなります。今に生き切ることができるのもまた、その歴史の重みを自覚するからです。
歴史の重みを知ることは、今の重みを知ることです。今がなぜこうなっているのかを知ることは、かつては何が起き、そしてどの道を選び、何が発生して今に至るのか。その今を理解するためには歴史が必要です。そしてその歴史とは単なる誰かの主観ではなく、今までどうしてきたかを知り何が本質であったのかを探る大切な手掛かりになるのです。自分が先人たちの命がけの経験を理解し、その経験を見せていただいた中で未来の子孫のために何を取捨選択し調整するのか、それは今を生きるものたちのお役目でもあります。
その時は時代の流れもあり、仕方がなかった対処もあったかもしれません。しかしそのまま繋がっているもので絡まりほつれた糸を結び直すのには、それを一度紐解いてみなければわかりません。歴史を紐解いてみてはじめてこれはそういうことだったのかということがわかってくるのです。その上でどのように結び直せばこれから簡単にほつれずに済むのかは、その時代時代に生きた人の責任で行われるものです。
地域甦生、日本甦生には歴史の存在が欠かせず、今に誇りを取り戻すためにもそれぞれが地域の中で歴史を結び直す必要があるように私は思います。時代時代に歴史はその時代の人たちによって結び直されていきます。その結びの心は、歴史によって語られ今の生き方に由って紡がれます。
今の自分に責任を持つというのは、今が未来になることを理解し今が歴史の上に立っていることを自覚するということです。
自分の生き方と生きざまが歴史になるのだから、一日一生、後の人たちに恥じないように徳を積んで徳を残し、徳を譲っていきたいと思います。
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「あなたの今の生きざまが会社の歴史になる」。たった一文ですが身に沁みる言葉です。そしてこれまでがあり、今に至っていることを思うと尚更身が引き締まる思いです。これまでの様々なご縁があって今働かせて頂いていることも、自分一人では到底無しえないことばかりです。葛藤するのも目指すものがあるからこそで、自分にできることは一つでもしていきたいと思います。
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その時代その時代には、それぞれの背景事情があり、その時どきの英断や苦渋の決断によって、受け継がれてきているのでしょう。それを批判的に見るのではなく、それらのすべてを受け入れることができるとき、初めて、自信と誇りを持てるのではないでしょうか。残っているのは「結果」ですが、私たちが学ぶべきは、そのプロセスにおける必死の決断の歴史でしょう。自分のいまがある、その背景を知っておくことの重要性を感じます。
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文化や風土とは、その民族の原点であるとありました。何を目指してどう生きて来たか、それが文化や風土になるのだと思うと、今の文化や風土を見れば過去と未来が見えるような気がします。理念にあった文化と合わない文化、それぞれに見つめ、今に生きたいと思います。
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今の自分と分断された意識で歴史を見ても、それはただの研究でしかなく分かっても活かせないようにも思えます。善いも悪いもなく全てが今に繋がり、それをそのままに受け取りこの先に繋いでいこうとするのは日々の内省もまた同じようです。何も分けずに繋がりのままに感じていきたいと思います。