人間は心の持ち方ひとつで生き方が異なるものです。例えば、どんなに豪邸に住みどんなに大金持ちになり世間がうらやむような生活を送っていたとしても心が満たされなければそれは果たして富んでいるのかわかりません。反対に、どんなに貧しくても心が満たせている人はとても豊かに幸せに満たされて暮らしていることもあります。
そう考えてみるとやっぱりないものを数えるよりもあるものを数える人、足るを知る人は心豊かです。過去をひきずり、ないものねだりをし欲ばかりを増やしていたら大切な今を見失います。今に生きるということは、まずその心の持ち方を転換する必要があります。
もちろん人間には純粋だからこそ過去に傷つきそれがいつまでも心のトラウマとして傷跡が残ることがあります。その過去が未来を恐れ、きっとまた同じことが起きるのではないかと不安になります。その過去に縛られれば、今に反発したり今を受け容れることができないことも出てくるでしょう。
しかし、今ここにある幸せに目を向けて観れば心は次第に育ってきて心が癒されていくものです。結局は過去という名で心を縛り付けて心を閉ざしてしまうと、今この瞬間を心が味わうことを諦めてしまうのです。
心の持ち方というのは何か、それはどんな状況や環境であってもないものを欲しがるのではなく、あるものを感じる心を持てるということ。心はあるものしか感じないようにできているからです。そして言い換えれば心のままに生きるというのは、満足よりも充実に生きるということ。もしくは願望よりも感謝で生きるということに他ならないようにも思います。人間は心を持っているのだからもっと心の方を優先して生きていこう、それが心の持ち方のことなのです。
だからこそ人はみんな今の環境を嘆くよりも、心の持ち方を学ぶことでどんな環境下にあっても心豊かに幸せに生きられるということなのでしょう。
どのように物事の観方を転じるかは、その物事の価値をあるがままにありのままに受け容れることからはじまります。天が自分に与えられた一切のものは、必然でありそれはもっとも必要なものだけであったという覚悟。また欲望ではなく、心や魂が本当に求めている道はこの足元にすべて訪れてくるという覚悟。
今を受け容れることは、足るを知る感謝の心を持つということでしょう。
どんな今も「これがいいのだ」や「これでいいのだ」と丸ごと受け容れ物事の観方を自分中心ではなく御蔭様中心に転換する発想を持てるようにいつも人の話を素直に聴ける精進の場と実践の訓練を一円対話を通して伝道していきたいと思います。
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自分の高校時代を思い返すととにかく前しか見ていなかったと思います。部活に試験に進路、いつも発破を掛けられ今を味わう感覚よりも、次から次へと追い立てられていたように思います。ただその中でやりたいことを見つけ、それが今に繋がっていることは有難いことです。日々を振り返り、どうだったかと内省し次の日を迎える習慣も前しか見ていたときにはまるでなかった感覚です。進路に向き合い将来のことを考えると不安に押し潰されそうになりますが、だからこそ今を皆で大事にする大切さを改めて感じます。
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「環境は心の現れ」と言いますが、その「環境」だからその「心」なのか、その「心」がその「環境」を作り出しているのか?!そこはしっかり見極めておく必要があるでしょう。また、「今ここ」に感謝できない人は、「感謝すべきこと」を「何か特別なもの」と勘違いしている可能性があります。「特別でないことの価値」がわからない人には、「ほんとうの豊かさ」が見えない可能性があります。「不足」ばかり見えてしまわないよう注意したいと思います。
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自分の中にある「向上心」と呼んでいるものが、実は時には「不満・不足」の心であったりするところがあるように思います。「今を十分に味わう事」これは発達の上で何よりも大切と園長先生から教えて頂きましたが、次の発達課題ばかりを見ていてはそれが出来ないという事なのかもしれません。次への執着を手放し、今に集中するという事なのかもしれません。「今」の連続で「次」が「今」になるかもしれません。どちらにしろ、自他ともにまなざしを変えていきたいと思います。
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ないものねだりよりもあるもの探し、そしてそれに感謝の気持ちが自然と湧いてくること。これは自分のこととしても大切だと思いつつ、本当は相手に対してもそう受け入れることが出来ること、更にはそう引き出してあげることが出来ることはとても豊かなことだと感じます。自他分かれず、何事にも足るを知るの心持ちである聴福人となっていきたいと思います。