和合

昨日は無事に聴福庵での天神祭の実施と勉強会を実践することができました。菅原道真公をお祀りし、場を整え、寺小屋にし学問とは何かについて話を深めていくことができました。

改めてご縁というものの不思議さ、そして初心の大切さを感じる機会になりました。

裏方では、みんなで力を合わせてお祭りの準備を行いました。最初はお祭りのおもてなしとはどのようなものをすればいいのかと悩みましたが、結局はご縁がつながって生まれた物語を辿っていただけでした。

例えば、地域の氏神様が天満神社だったから最初の勉強会と実践が菅原道真公の天神祭になったこと。そして菅原道真公といえば梅を愛したことで有名だったので、梅に纏わる道具や梅料理を用意することになったこと。その梅も太宰府天満宮に信心深い方からの紹介で素晴らしい梅をいただいたこと。その梅を、梅干しや梅酒にしたこと。さらに80年前の梅干しと出会い、その梅干しのみで炊き込みご飯を備長炭を用い竈で炊いたこと。その炊き込みご飯のお皿は神社でお社にかかっている竹を刈りその竹を割って削り創り、室礼もまた境内の参道にかかる紅葉などを用いて飾ることになったこと。ウェルカムドリンクもある染の老舗の方からお譲りいただいた年代ものの梅ジュースを出せたこと。お味噌汁は、地域の方々と一緒に創って発酵した味噌を使い、かつお節も物語ばかりでしたが、その本節を削り出汁を取ったこと。さらには恩師が別の講演会でタイミングよく福岡にお越しになっていたことなど、他にもご縁を辿ればキリがありませんが様々な組み合わせと物語によって出来上がったのです。

これらの偶然が重なりあって、奇跡のような天神祭を執り行うことができました。これらの御蔭様を思うとき、私たちは本当にありがたい貴重な体験をさせいただいたことに気づきます。

当日のお祭りの裏方は何をするのだろうかとわかりませんでしたが実施してみると、みんなで協力して助け合い、まるで昔の日本の寺小屋のように学び合い、ご飯を共に作り合い、食べ合い、片付け合い、手伝い合い、まさに「和合」した姿が随所に垣間見ることができました。

和合という言葉も、ようやく私の心にストンと落ち着いてこの体験が和合であったのかと日本文化の持つ、一緒に働くことの仕合せを懐かしく感じました。

恩師からは「自分の人生のゲストではなく、スタッフで生きていく」ということの大切さをも教えていただきました。これは単に主人公であることを言うだけではなく、みんなで能動的に和合する生き方、つまりは共生と貢献、利他に生きつつみんなで一緒に働きを活かし合って協力して生きていこうとする人類存続の智慧の言葉です。

この天神祭の体験から私は子どもたちに遺し譲りたいもの、人類の理想の形を発見することができました。この奇跡のようなご縁を活かし、世界に大切なことを伝えられるように実践と精進を重ねていきたいと思います。

  1. コメント

    まずは多くの皆様に来て頂けたことに感謝の気持ちが湧いてきます。そして、こうして第1回が執り行えたのも多くの方のお力を添えがあってこそのことだと感じています。多くの方が笑顔で帰られる姿を目にすると、家が喜んでいるそんなことを思います。今後につながる第1回であったと思うと、学ぶことばかりでした。何のための祭りであるかを心に留め、問いをもって実践を続けていきたいと思います。

  2. コメント

    お話を聞けば聞くほど、奇跡的なことが重なり合い繋がり合って、「ひとつの行事」が成り立っている不思議を感じます。特に、今回は、菅原道真公への信仰心が大きな力となって周りを動かしたのではないでしょうか。昔の人は、このような信仰を柱とした暮らしの中、随所で「和合」し合っていたのでしょう。「行事」の別の意味を学ばせていただいた気がします。

  3. コメント

    前準備の時の皆さんが厨房に集まってそれぞれに体験し、協力し、出来上がってきたあの瞬間にあそこにいられたことが何よりの体験でした。ゲストとスタッフと分かれているものが、分かれない感覚は翌日来ていただいた先生との関係性にもその体験が活かされ、また素晴らしい時間を過ごさせて頂いたように思います。いろんな智慧が集まってわいわいとなっていく空気は幸せです。思いやりのある方々と過ごすと自分もそうなっていきたいと強く感じます。この体験を仕事に活かしていきたいと思います。

  4. コメント

    昨日もある先生が誰も気づかなかった庵の水漏れに気づいて下さいましたが、必要な時に必要な方が助けて下さることばかりで、何か特別な力が働いているようにも感じました。クルー間だけでなく、本当に様々な持ち味をもった方々のおかげでこの聴福庵が甦生していく、その過程はそのまま日本の甦生でもあるのだということを忘れずに、今回の貴重な体験を今後に活かしていきたいと思います。

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