磨く文化

縁日で開催した、「貝磨き」を通して磨くことの大切さを参加者が感じていました。ボランティアで手伝いに来ていた学生たちが、磨いたら光ることを知って感動して集中して何時間も磨いていたのは印象的でした。

この磨けば光るということを知っていても、磨き方をどうすればいいかまでは体験してみなければわかりません。貝を通して自分の磨き方を伝授していく講師の声に、真剣に耳を傾けている様子に美しいものを感じました。

昔は、貝は貨幣として大切にされてきましたが今では貝殻といって粗末にされることも増えています。日本家屋、特にここ聴福庵は漆喰を多く使いますから貝が家の一部として一緒に空間を維持しています。

この自然物を用いて磨くというのは、自分を磨くのに最適な砥石になります。砥石も自然物ですが、貝もまた自然物です。砂浜で波に揺られて磨き合いながら、角が取れて円くなりさらに光っていく貝殻のように、自分もそのリズムで磨かれていく。

日本人は伝統を通して自分磨きをし続けてきた民族でもありました。自分を磨くことこそが伝統を継ぐことであり、磨いてきた結果として日本の文化が今でも遺っているとも言えます。

時代を超えてもっとも大切なことはこの磨く文化を子どもたちに伝承していくことではないかと私は思います。

引き続き、磨く文化を仲間と共に磨き合いながら伝承していきたいと思います。

  1. コメント

    左官さんが「磨けば何でも光る」という一言も印象的で、輝くまで貫けるかというのは、人生においてもそのまま言えることを感じました。そして、これまで経験してきたそれぞれの点が、ここ来て繋がりはじめ線となっていくことを感じ、磨くことの深さをまた一段と感じました。磨くことは擦れ合って荒いところが丸くなっていく印象が強かったですが、笑い声が家の外にいても聞こえてくるのを聞いた時、楽しさが人を磨いていくこともあるなと思いました。いろいろな取り組みや視点から磨くということを深めていきたいと思います。

  2. コメント

    ある職人さんに、どれくらい修行をすれば一人前になれますか?と聞くと、「一生修行です」という答えが返ってきました。私たちは、すぐに「どれだけ努力すればいいか?」と考えがちですが、「自分を磨く」ということに、年数も回数もありません。ちょっと磨いたくらいでは、何者にもなれず、何もできません。「磨く」ということは、生き方であって、姿勢であるということを確認しておきたいと思います。

  3. コメント

    磨けば光る、光るまで磨く。磨くという体験にはこの原理原則を前にして、自分の我があきらめようとしたり、先送りをしようと磨くではなくコーティングを選んだり、意味がないものだと思い込もうとしたりと自分との闘いばかりなように感じます。そして左官さんがそれをすでに実体験として感じられているだけでなく、それを実践し、発信していくこと自体が「左官」という仕事であることを感じ、素晴らしい仕事だと感じました。自分の仕事が「磨く」という実践の上にあるかをよく見ていきたいと思います。

  4. コメント

    「磨く」ということがこれだけカグヤの実践として深まってきているのも、あの御縁があり貝磨きからこうして繋がっていることを思うと、今目の前にあるものもまたこの先へと続く道だと感じられます。新たな磨きも始まりそうですが、より意味が繋がった実践だと思うと、今回の縁日の意味もさらに大きな実践だったのだと、振り返る中で沢山のものをいただいていることをしっかりと味わっていきたいと思います。

  5. コメント

    磨く文化。で検索してきました。トップに出てきました。「時代を超えてもっとも大切なことは、この磨く文化を子どもたちに伝承していくことではないかと私は思います」。大蛤、または大弁慶貝に書いて送っていただきたいと感じました。貝に刻むことでよりしっかりと胸に刻み、いつも見えるところに置き、貝の夢に邁進していきたいとあらためて励ましを頂きました。静かな見守り。応援を本当に、有り難うございます。

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