それいけ!アンパンマンの歌に「なんのために生まれて何をして生きるのかわからないまま終わるそんなのは いやだ!」というものがあります。これは作者のやなせたかしさんが「なんのために生まれて 何をして生きるのかこれはアンパンマンのテーマソングであり、ぼくの人生のテーマソングである。」と言っているようにこの言葉に初心を感じます。
このあなたは何のために生まれ、あなたは一体何をして生きるのか、これは「志」の問いです。やさしい文章ですが、この質問にすぐに答えられる人は自分自身の人生に向き合ったことがある人だけです。
やなせたかしさんは、作品を通して学び、その学んだことを通して世の中に大切なことを語り一石を投じた方ともいえます。
例えばアンパンマンといえば、正義の話です。遺作の著書となった「何のために生まれてきたの?」の中にこう記されます。
「本当の正義というものは、けっして、かっこいいものではないし、そして、そのために必ず自分も深く傷つくものです。そういう捨て身、献身の心なくして正義は行えません。正義の超人は本当に私たちが困っている飢えや公害などと戦わなくてはならないのです。アンパンマンは焼け焦げだらけのボロボロのこげ茶のマントを着て、恥ずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって飢えている人を救います。
それでも顔は気楽そうに笑っているのです。子どもたちはこんなアンパンマンを好きになってくれるでしょうか?それともテレビの人気者のほうがいいですか?」と。
正義をはき違えないよう、一方的な正義の危うさ、誰かだけの正義の愚かさなどあらゆる正義がある中で本物の正義とは何かをやなせさんは向き合ってこられたのかもしれません。他にもこんな言葉があります。
「正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです。傷つくかもしれないけれど、それでもやらなければいけないときがある。」
そして、
「正義を行う人は自分が傷つくことも覚悟しなくてはいけない。」
これは自分とか他人とか分けず、文字通り自他一体になって思いやりを実行するときに正義が発揮されることを暗に意味するように私は感じます。そしてヒーローとは何か、本物のヒーローはどのようなものかも子どもたちに語り掛けます。
「強いからヒーローなんじゃない 喜ばせるからヒーローなんだ」
そしてこうも言います。
「ぼくらも非常に弱い。強い人間じゃない。でも、なにかのときには、やっぱりやってしまう。ヒーローというのは、そういうものだと思います。」
みんなが喜ぶか、自他が喜ぶか、そういう周りを仕合せにする人間こそがヒーローではないか、そう記します。
そして人生観として、『「人が喜ぶかどうか」が何よりも大事だと思うんです。』といいます。「人生の楽しみの中で最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。」と。
この問いそのものの「喜ぶかどうか」という言葉は、人生の局面の中で感謝と謙虚と素直に巡り会う素晴らしい問いであり、何のために生きるのかということにおいて本当に含蓄があり深い言葉です。
改めて私もアンパンマンから大切なことを学び直した気がします。引き続き、子どもたちにその遺志が伝わっていくように私なりに後ろ姿を伝えていきたいと思います。
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「アンパンマン」は、もともと大人向けだったと聞きました。しかし、その「ヒーロー像」は、子どもたちにちゃんと伝わりました。また、東日本大震災の時に、「アンパンマンのマーチ」のリクエストが殺到したとも聞きました。大人も子どもも、みんなが求める「ヒーロー像」が「アンパンマン」であったことにほっとしています。
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多くの人から支持され長年愛されるのは、その優しさに触れ幼心に記憶が残っているからかもしれません。そこにはどう生きるかというものがあり、貫くものがあって示せるものもあるのだと感じます。何かあったら助けてくれる人がいて、応援してくれる人がいて、最後まで優しいというのは、目指すべき像なのだと思います。何のために生きて、何をして生きるのか、この言葉を胸に今日1日も過ごしていきたいと思います。
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人に喜んでもらいなさいという言葉を思い出しました。お客様から喜ばれることは何よりの働く喜びだと感じますが、お客様に限らず喜んでもらえる時があればありがたいことです。喜んでもらえるように自分を使って行く生き方は苦しみの中にも花が咲く喜びと、いつかは苦しみよりも花の美しさが残るものだと感じました。
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顔が濡れて力が出なくなってしまったアンパンマンに、絶妙なタイミングで新しい顔を持って来てくれる仲間たち。元気百倍になれる、決して新しい顔になったからではなく、本当は皆の応援の力をもらったからなのだと思います。人を喜ばせることが出来るのも、自分がどうこうではなく周囲の応援や励ましがあるからなのだということを忘れないようにしたいと思います。