組織において優先順位を決める際、全体にとって何が最も善いかを考えます。これを全体最適とも言います。その視野が広く深いほど何をやることが最もみんなにとっていいかということが観えてきます。
いくら自分にとって良かれと思っても、自分勝手な行動が全体に大きな影響を与えるのが組織でもあります。形が決められている機械のような組織であれば、自分の持ち場をマニュアル通りに守ればいいのでしょうが、もしも組織が一つの生命体のようなものであればマニュアル通りにしていては反って全体に多大な迷惑をかけることもあります。
だからこそ自ら考えて自ら優先順位を常に確認しながら行動していく必要があるのです。そしてその優先順位は、何を足すかではなく何を引くかということです。今、何をなすべきかを思うこともありますが、何をやらないかということを判断しなくてはなりません。
敢えて、今、何をしないかを決めるということです。言い換えれば、今、何を省くのかということです。これはとても難しいことですがこの判断がその後の未来を決定づけるとも言えます。
経営者は常にその判断をし続けています。やりたいことやしなければならないことは、いくらでも増え続けますし、いくつでもやろうとすればできるものです。そして自分の都合だけではなくいろいろな多方面から有事もやってきますから暇になることはほとんどありません。
その中で、何を優先するかは、如何に理念や初心を忘れていないかといった目的に対する強烈な意識が必要になります。人は反省しないとすぐに流されて自分自身もわからなくなりますから、常に日々に内省を怠らずに何がよくなかったか、何が課題だったか、そしてできたものが何だったかを振り返り続け日々の些事に振り落とされないように自分自身を見つめ直す必要があります。
そういう日々の繰り返しによってそぎ落とされ、刈り込まれ、竟にはシンプルに純粋に、「省く」ことができるようになるように思います。多くの選択肢は反ってその人の判断を迷わせます。
省くことを意識し、最も人生で実現したい目的に向かって日々に磨いていきたいと思います。
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学生時代、テスト前になると無性に机の上を片付けたくなることが何度もありました。普段片付けないくせに、雑然としていることが気になり、集中出来ず整理することで落ち着く環境を作っていたのも、省くことの一つだったように感じます。テストでないにしても、今でも似たようなことはよくあり、日頃から気を付け、片すことに追われるよりも、やらないことも決めていく大切さも合わせ持てるよう、していきたいと思います。
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「優先順位」に対して「劣後順位」という表現があります。「やらないことの決定」ですが、どうしても「欲」が絡んでくると、「機会」を逃すのではないかと焦って、これが難しくなります。何かが起きてから判断しようとすると、自分に都合のいい勝手な理屈が付いてしまいますから、やはり、日頃から取捨選択の訓練をしておく必要があるようです。
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稲刈りの帰りに、クルーが小学校の頃この時期に中間休みというものがあり、そこで家の稲刈りを手伝う風土があったと教えてくれました。学校に授業を進めるために休みなく学校に登校するよりも、本来の育ちや学びを考えればこの都会でも同じように中間休みのような時間はあった方がいいようにも思え、企業で言えば売り上げの為に仕事尽くめとなる状態が子どもの学びや育ちの場である学校にも波及しているようにも思えました。そう言った意味で昨日一昨日の理念研修でもある私たちの稲刈りは大きな意味があり、同時に「仕事」を省いているようにも感じられます。子どものモデルとなる生き方を遺す会社であることを日々省みていきたいと思います。