楽観力

人はポジティブとネガティブという思考を行き来することで感情が揺さぶられていくものです。喜怒哀楽を中心に複雑に入り組んでいる感情は、その人の心の表情として周囲の人間関係に影響を与えます。

いくら見た目が明るそうに見えてもその根が暗い状態であったり、見た目が暗くても実際はとても明るい状態である人もいます。つまりは人間は決して見た目と中身が同じではなく、自己を複雑にしながら社会で生活をしているといえます。

たとえば、他の動物でいえばほとんど顔の表情と心は同一で見た目通りの表情をします。犬であれば喜怒哀楽ははっきりしていますし、鳥もまたそのまま感情をさらけ出します。しかし人間は、見た目は喜んでいるように見せて実際は悲しんでいたりと、心と感情を別にしていくのです。これを何度も繰り返して自分を偽り続けると心と感情のバランスが崩れて疲れてしまうのです。

自分のままでいること、自分らしくいられる居場所があることは、自分の安心だけではなく周囲の安心をも創造します。安心できる場所があることで、自己のパフォーマンスを最大限発揮でき、他者の持ち味を活かしあうことができます。それができない状況は不安な環境に自分でしてしまうことです。自分を偽る理由はそれぞれにありますが、比較競争からのプライドであったり、もしくは自分自身がそういう生き方を続けてきたから自分の本来の姿が分からなくなったり、自分の価値観によって裁いていたりと様々にあります。

しかし最初からそうなったのではなく、過去の何らかの環境や出来事によってトラウマになったり、それによって自分が攻撃されたと思い込みずっと守ろうとしているとも言えます。

自然体でいいというのは、自分自身がオープンである環境を創り出すことです。何を言っても大丈夫、仲間がいつも見守ってくれているという意識で環境の一部になることが、見守る環境を準備することであり自分自身が安心していない状態で見守るというのは難しいのです。疑心暗鬼になり、いつ裏切られるかと見張り緊張しっぱなしの環境の中にいたら頑固になり空気も澱んでいきます。そのうち澱みが溜まり過ぎると流すことができなくなっていきます。いつまでもしつこく根に持つのは、物事をしなやかに受け流すことができないほど楽しくなくなってしまっているかもしれません。

実際に客観的に事実を観たらポジティブさもネガティブさもその中にどちらにも善いところがあります。常に自分自身がその善いところをみて自分自身の心の穢れや淀みを笑いによって澄ませていくことや、そのものを楽しんでいく工夫をすることでより見守り安心できる環境が醸成します。

楽しくないことを楽しくするには、善い側面を観ることや意味を深めて学ぶチャンスにするという前向きな心の態度が必要のように思います。前向きとは、今に集中して前進するということです。逃げると人はその思い出が辛い思い出になり、攻めると人はその思い出が楽しくなるといいます。つまり人生を楽しんでいる人はいつも逃げなかった人なのかもしれません。後悔をしたからこそ次こそはと楽しんでいくことが人生の醍醐味かもしれません。生き物はすべて前進していくことが人生の命題ですから、どんなことがあっても逃げずに前に進んでいこうと精進していくことで楽観力もまた高まってくるように思います。

根っから好きになり楽しくなるように働きながら子どもたちのモデルに近づいていきたいと思います。

 

  1. コメント

    単に「楽観的」というのは、詰めが甘かったりして、ときに危ういことがあります。そういう意味では、「楽観的でいる」ためには、ある程度の「心の実力」が必要でしょう。その「意味の深さ」を知ったり、その「背景の深遠さ」を知ったりできれば、もう少し強くなれそうです。強く生きるためには、やはり「信じる力」が必要です。もう少し強く大きな見守りを信じて生きたいと思います。

  2. コメント

    忙しくなってくると、視野が狭くなり、こうあるべきのような価値観を振りかざしがちですが、そんな時にこそ、どうしたらもっと面白くなるかと転じて提案していく大切さを何度も感じています。その提案を聞くだけで、視野が広がり真面目になり過ぎていたことに気がつきます。面白いものを創り、周りの人が笑顔になるものを創っていきたいと思います。

  3. コメント

    オープンという言葉の解釈にも色々違いがありそうです。自分を省みながらそれでも感情が出てしまうのは人間もまた同じですが、ただただ感情を吐き出される姿は美しくなく、それはオープンとは違うように思います。打算で感情を偽ることは不自然ですが、思いやりや省みる中で感情を自制するのは必要なことだと感じます。いいところを見るとは、今の姿を無理やり「いい」と見ることではなく、まだ途上のその一面を「磨けばこんなにいいものになる」と相手の視野を拡げてあげられるような、信じる見方なのかもしれません。

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