だいぶ前に「180°south 」というライフドキュメンタリー映画を見たことがあります。これはアウトドアの世界的有名ブランドのpatagonia創業者イヴォン・シュイナードとTHE NORTH FACE創業者ダグ・トンプキンスの二人の運命を180°変えた一つの旅を振り返り、ひとりの青年がその軌跡を追体験するように制作されたものです。
その中でイヴォン・シュイナードの人柄や美学にはとても共感するものがありました。自分の生き方を仕事にしていて、仕事が生き方の一つの表現になっている。生き方と働き方を分けない姿が、このブランドの価値を創造したように思います。
このパタゴニアは、マーケティングにおいても10パーセントの同じ価値観や生き方をする人たちだけでいいと最初から決めてすべての生産や販売を管理しています。また社員たちも同じ生き方をしようとする人たちを集めるために、採用においても工夫をしています。
現在では、老舗企業の風格で創業メンバーの子どもたちが志を受け継いで展開しているようですが今でも多くの人たちの心をつかんでいるように思います。
そのイヴォン・シュイナードの言葉にこういうものがあります。
「シンプルで居る事は難しい、何でも複雑にして行く事は簡単なんだ」
これは本質であり続けることの難しさ、「何のために」ということを突き詰めて生活を削ぎ落していくことの難しさを語っているように思います。日々の喧騒ですぐに忘れてしまう目的や初心が、より自分の人生の道を曇らせていくように思います。その中でも本質を保つということはよほど覚悟を決めた旅を歩んでいく必要があります。
またこうもいいます。
「「時間がなくて」あるいは「忙しくて」。これらは嘘の言い訳だ。これらの言葉の裏に隠れた真実は「優先度合が低いからまだやっていない」のであり、もっと言うなら、やりたくないというのが本心である。」
自分の人生の優先順位を間違えてしまえば、本当にやろうとしたことよりも日々の雑念や我欲に負けてもっともらしい理由をつけてはやろうとはしなくなります。これはやりたくないということを隠しているだけであり、本来の覚悟が揺らいでいるのです。自分で決めた生き方があるのなら、どんな理由があったにせよ途中であきらめるわけでにいきません。しかし、ちょっとした困難やトラブルがあったくらいで人は早々に諦めてしまうことが多いようにも思います。だからこそこうもいいます。
「旅で、想定外のことが起こったら、そこからが冒険だ」と。
冒険する人生を旅するというのは、決してアウトドアの世界の話だけではなく生き方の話です。冒険が楽しいからこそ、仕事も楽しいと言えることがシンプルにするということでしょう。
パタゴニアの社訓は「遊ばざるもの、働くべからず」とあります。これは遊ぶように働き、働くように遊ぶという意味でしょう。まさに本質でありシンプルであり、生き方と働き方の一致を言います。
カグヤも生き方と働き方の一致を目指していますから、冒険こそが人生の醍醐味になるような生き方を優先していきたいものです。
最後に、この映画で共感したこの言葉で締めくくります。
「人は魂の救済のために行動しないと。それぞれの方法で。」
世界には同志がいて、それぞれの方法で同じ頂きを目指しています。私もその一人として、自分のやるべきことに専念し最期の一人になっても登頂にアタックする覚悟で一期一会の挑戦を楽しみたいと思います。
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以前、理念経営を行なっている会社を見学させて頂きましたが、似ている組織を知ることの大切さを感じました。それは共通理解が深まることもそうですが、見聞が広がることでもあります。社会が変化する中で、他の組織はどのような働き方をしているのかを自ら探し求め、提案していくようでなければと感じます。今も世界のどこかで、新しい組織が生まれ躍進し始めていると思うと、何のためということを繰り返して実践に移していきたいと思います。
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「複雑」になってしまうのは、「余計なこと」をするからでしょう。そして、「余計なこと」をしたくなってしまうのは、「面白くない」か「やらされ事になっている」からではないでしょうか。また「言い訳したくなるとき」も同じです。「自他をごまかさない」強さを持ち、シンプルに生きたいものです。
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子どものは十分に満足すると次のことがしたくなると言います。それを思うと、どこまでで満足感が得られるかというのも大事なことのように思えます。不足ばかりをみていればどこまでいっても満足することはなく執着し、ある方を見ていればそれだけで満足し手放すことが出来るのかもしれません。シンプルにしていくという感覚を大切にしていきたいと思います。