物事をシンプルにしていくことは、現代のような複雑な世の中ではとても重要なことのように思います。このシンプルさは、物事を本質的にするということでもありますがそれとは別に心や思想のシンプルさというものがあるように思います。物と心を一体化する中で如何にシンプルにしていくか、そこに物事を突き詰めていき自分を磨く面白さがあるように思うのです。
このシンプルさというものは、日本語では素直さと言ってもいいかもしれません。物事を素直に受け止める人はいつもシンプルで本質的です。時折、あるがままのことをありのままに観えている人に出会うと尊敬の念がこみあげてきます。
いくら本を読んで知識を蓄えても、どのような智慧に触れたとしても、子どものような純粋な心で透明な澄んだ目で世の中を見て心のままに話ができる人は美しい世の中の原型を持っています。こういう人を自然体の人というのでしょう。
自然体の人になるには、自分自身の心を整理する必要があります。そのためには、自分が何を感じたか、自分がなぜそれをやるのか、自分にとっての意味が何かと、直観を信頼して歩んでいく必要があります。つまり自分に素直になって行動していく必要があるということです。
そうすれば時折、障害や困難、不安や恐怖、他人からの誹謗中傷や非難などもあります。それで常識的に従っていけばまた複雑さは複雑さを呼び、何をしたいのか何をしているのかわからなくなっていくのです。
素直になるというのは、直観を信じるということです。そして直観が分かるのは素直だからです。この素直になるというのは、松下幸之助さんが一生涯かけて修行したとお聴きしたことがありますがまさにその境地になってこそ物事の真実に生きるという自然の道なのでしょう。
自然の道は果てしなく限りない、まさに永遠ですからこの今も素直であるかと自問自答、自反慎独をしながら坦々蕩々と日々を楽しみながら歩んでいくことが人としてこの世に生を受けた私たち人間の道です。
言うは易く実行は思いのほか難しいことですが、だからこそ挑み甲斐がある道で遣り甲斐がある歓びの一生です。日々に一期一会に自然の道を意識しながら、この今に自分を懸けていきたいと思います。
コメント
最近、無印良品や北欧デザインなどが増え、暮らしをシンプルにというニーズも高まっているように感じます。物や情報が溢れてくると、余計にシンプルさが同時に際立ち、暮らしそのものから立ち返ることが起きているようにさえ感じます。自分自身の言動も普段の暮らしから表れると思うと、暮らしの実践の重要性を改めて感じます。
コメント
素直とは、「自分を消すこと」ではなく「一体となること」であると言います。「消さないといけない自分」にこだわっている間は、ななかなか「一体になる」ことはできません。「自分の都合」を考えた瞬間に、ものごとは「複雑なもの」に変わってしまいます。目の前の景色が「どのように見えているか?!」で、今の自分の素直さを確認したいと思います。
コメント
一円対話の中にある様々なルールも、物事をシンプルに受け取り、シンプルに聴き、シンプルに話すための仕組みのように思えます。終わった後にスッキリする感じがある時は、それまで複雑だったものがシンプルになったからなのかもしれません。複雑になりやすい世の中だからこそ、素直になる習慣を大事にしていきたいと思います。