人間が自立するためには、時として困難に立ち向かう勇気が必要だと感じます。そしてその時の勇気は、人々にとっても勇気を与えてくれる存在になるように思います。この時の自立の定義は自分自身を確立するときの自立でもあり、自分の納得いく人生を生きていくための人生を懸けた挑戦をするときに用いる自立です。
誰でもはじめて挑戦することややってみたことがないことに遭遇するとき、不安や恐怖が出てきます。誰かがいつも傍にいて守ってくれていれば怖くはないかもしれませんが、それを一人で乗り越える必要が出てきます。自分の中に自信を確立していくためには、自分の力で乗り越える体験を積み重ねていくしかありません。
自己への信頼は、この世界に自らを肯定し樹立するための根になるのです。
そのために敢えて荒野に身を投げ出していくような奮い立つ気持ちが自立を促していきます。自分から厳しいとわかっていても自分を信じて、その環境に飛び込んでいく姿は人々の感動を促します。
そしてそれを見送る側もまた、彼の成長を信じて待つのです。19世紀のアイルランド民謡に『The Moorlough Shore』(ムアロック/ムアロッホ・ショア)があります。
人生航路には様々な出来事が発生します。人は時としてその出来事に一人で立ち向かっていかなければなりません。その時、信じて待つ存在があることが支えになることもあります。
野蛮な勇気ではなく、心の深いところにどっしりと落ち着く勇気があれば人は新たな世界を自ら切り拓いていくことができるのかもしれません。
見守ることの奥深さを感じながら、新しい扉を開けていきたいと思います。
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自分でやることになってはじめて見えてくるものがあり、これまでもやっていたつもりでいても、本当の意味ではやっていなかったのだと気付かされます。不安は伴っても自分でやることで見えてくるものがあると思うと、大切な経験でもあります。いくつになっても挑戦することを大事にしていきたいと思います。
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「勇気」は誰でも出せるものですが、それを邪魔するものも自身の中にあります。そのひとつは「保身」でしょう。この「保身」を放ったままでは、最後の川を飛び越えられず、せっかくの勇気が中途半端なものになってしまいます。自分の「手かせ足かせ」を外す努力を、常にしておきたいと思います。
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向こう見ずな勇気であれば自分だけで出せるものかもしれませんが、本当の勇気はそれとは違い、周囲から引き出していただいているもののようにも思えます。誰かに触発されたり、苦しんでいる人を助けたかったり、大事なものを守りたかったり。それは見守って下さっている存在を感じているからこそ生まれるもののように感じます。これもまた人間にしかない力として大事にしていきたいと思います。