私たちが当たり前に認識しているものを再認識する作業というものは、そのものの本質を理解するのにとても役立つものです。私はすぐに由来や経緯、その理由などを深めるタイプのようで日々に新しい発見がたくさんあります。
人間は情報量が一定量を超えて好奇心が失われていくと、その物事や現象が単なる知識が増えるのみになってしまいます。その知識を体験に昇華したり、それをさらに好奇心を持って探求するにはその事象や意味を深掘っていくのがもっとも効果があるように思います。
例えば、銀行というものはいつからはじまりどのような由来だったかと深めてみます。すると、日本での銀行の命名は明治時代に英語のBANKを日本語に翻訳する際に、お金を表す「金」や「銀」と、中国でお店を表す「行」という字をあわせて、「金行」や「銀行」という言葉が考えられ語呂の良さから「銀行」が選ばれたとあります。
またBANKの由来は、これは12世紀頃、商業のさかんだった北イタリアの両替商が使っていた「長机・腰掛(BANCO)」が語源だそうです。それに世界最初の銀行は、紀元前3000年前バビロニア王朝がはじまりと言われたり、その後は両替を中心にお金の貸し付けが行われ、日本で現在でも有名な銀行である三井住友などの大手銀行は江戸時代からの両替商だったことなどもわかってきます。
金融という字も、由来を調べれば「融」は融ける(とける)という字ですがこれは「鍋で煮込む」ことを表す漢字で鍋から出る蒸気を「虫」に見立てます。そしてこの融とお金を合わせて「お金を自由にする、お金を自由に通す」という意味になっているといいます。
そしてこの金融の歴史を調べていけば、「お金」というもののルーツを辿ることになります。すると、人類においてこのお金が生まれた歴史、物々交換から次第に現在の仮想通貨などまで辿ると何が共通していて何が変わっていくのかも観えてきます。
人類の意識として、大前提にある「お金」がどうなっているのか。そこを突き詰めていけば、人間がどのようにお金を発明してどの道具がどのように人類に影響を与えているのかがわかります。
一つのことを深めれば、そこから人類にたどり着く。このように何でも興味や好奇心をもって歩んでいけば、そもそもの由来やルーツを知るきっかけになります。今を知るには、今までどうだったのかを知ることが今を学ぶもっとも大切な方法です。
子どもたちの今を伝承していくためにも、その物事の本質を学び直していきたいと思います。
コメント
Wikipediaや語源辞典などを使って物事の意味を調べることがありますが、自分の知っていることはほんの一部であることを感じます。自分が知っていると思っていることも、ほんの一部というのは何にでも言えることかもしれません。自分自身の存在価値も同じく、両親や祖父母、そしてご先祖様があっての自分でありますが、何のために生まれてきたかはどこを調べも載っているものでもありません。何のために生まれ、何のために今ここにいるのか?今までがどうだったのか学んでいく重要性を感じます。
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「お金」の発明によって、生き方や仕事の仕方が確立し、また時代によって、その役割も変わってきました。同時に、その「お金」によって、人生が狂ったり、仕事における問題が尽きないということも生じています。この辺りで一度「ものの価値」というものを見直す必要があるでしょう。特に「心の価値」をどのように表すか?!その辺りに、新しい智慧が必要なようです。
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本質を守るために変えてはならないものと、時代の変化によって変えていくべきもの。はじまりがどうであり何のためだったのかが分からなくなれば、その本質を伝承していくことは難しいように思います。物事の中には自ら変えてしまったものと、すげ替えられたものがあるように感じます。手遅れにならないよう本質を掴み、そこに立ち返っていきたいと思います。