暮らしの豊かさ~フィンランド~

私は古民家甦生を通して暮らしの甦生に取り組んでいますが、世界では暮らしに寄り添いながら文化を高め続けている国がいくつかあります。今回は、あるご縁からフィンランドを深めることになっていますがこの国はとても暮らしを大切にしながら人格を高めている国であるようにも思います。

もともとの原点に何を据えていくか、時代が変わってもむかしからの大切な普遍的な伝統と現代の発展との調和は今を生きる人たちの生き方に現れてきます。この国は、シンプルで豊かというイメージがぴったりで暮らしを味わいながら今の世界に上手く調和している感じがします。

昨年と今年の世界幸福度ランキングでは、他の変化のない国々の中で堂々の1位になっていました。外来人口に対する対応なども非常に親切であることや差別がないことなども影響があったそうです。暮らしが充実するからこそ、幸福度もまた充実するのだろうと私は思っています。日本の暮らしも以前は、とても質の高いものがありました。現代はほとんど暮らしが消失してきていますからどうしても幸福度は高まりません、日本は現在は25位だそうですが、比較するのではなく暮らしの質をもっと高める必要性を感じています。

フィンランドは福祉国家ですがIT技術も最先端を進んでいます。最近では政府が地元スタートアップとともにブロックチェーンを活用した難民向け金融・社会支援を開始したほか、国連がブロックチェーンを活用したプロジェクトを開始しています。近くにあるエストニアと合わせてこの二つの国は、新しい技術を使い自分たちの世界を広げ注目をされています。

また男女平等では110年をかけてその社會を構築し、工芸品、教育制度、安全面、汚職の少なさ、報道の自由、すべてにおいて世界の最高峰に達しています。

人口は550万ほど、国土は日本と同じくらい。実際の経済規模は小さくても一人当たりGDPなどを見ると豊かで自由な民主主義国です。そしてOECDレビューにおいては「世界で最も競争的であり、かつ市民は人生に満足している国の一つである」と2014年には報告されています。

フィンランドは収入、雇用と所得、住居、ワークライフバランス、保健状態、教育と技能、社会的結びつき、市民契約、環境の質、個人の安全、主観的幸福の各評価において、すべての点でOECD加盟国平均を上回っているのです。

大自然豊かで、芸術、伝統、文明すべてにおいてバランスよく取り入れ発展を続けています。精神文化も、日本と同様に八百万の神々を信じあらゆるものにはいのちが宿っているという思想も持っています。

国民の人格が国家の国格でもあるように私は思います。私が生まれる前の明治前後の日本を私はこの目で見たことはありませんが、きっと今のような雰囲気だったのではないかともこの国にきて直観しました。

どのような発展の仕方があるのか、そしてその国家理念は何なのか、そこに住む人々の歴史や生き方を学び直しながらその国の宝の磨き方を、日本の子どもたちの未来のために一緒に深めてみたいと思います。

 

  1. コメント

    「観光」とは、易経の「国の光を観る」が語源だと、以前学びましたが、「国の光」とは「国の宝」であり、「人々の暮しの豊かさやバランスの良さ」をいうのでしょう。それは「明徳を明らかにする生き方」にもつながっているのでしょう。「日本は何を国の宝とし、日本人は人生の中心に何を置いているか?!」もう一度その原点から考え直す必要があるのではないでしょうか。

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