庭木の剪定をしていると、様々な毛虫がいてその毒による皮膚炎になることがあります。毎回毎回、つい暑いからと素肌の出たままの洋服でやってしまいその後に皮膚炎になり痒い思いをするのですがなぜか予防することを忘れてしまいます。
この毛虫は、蝶や蛾の幼虫ですが卵から成虫になるまでの間に何十万もの毒針毛を持ちます。特に身近でよく私が被害を受けるのはチャドクガで、この幼虫の毒針毛はわずか0.1ミリの微細な毒針で、幼虫が持つ毒針は50万本あるともいいます。
この毛虫ですが一般的に毛が多いものを「毛虫」、毛が少ないものを「いも虫」と呼ぶことが多いようですが、明確な線引はされていないようです。
それに日本に記録されているだけでも数千もありますが毛虫はその中でも数が少なく2割程しかありません。その20パーセントの毛虫のうち、人を刺すなど害のある「毒毛虫」はそこからまた2パーセント程度しかいません。
しかし身近にいつもこの毒毛虫がいるというのは、日本人が身近で愛でる植栽や樹木と共にこの毒毛虫が広がっているということかもしれません。種別の量よりも、実際に身近に存在する量の方が多く感じますから私にとってはこの毒毛虫のチャドクガやイラガの方が年中見かけます。
これらの蛾の天敵は、寄生蜂や蠅、スズメバチや鳥ですがそれらは毒は関係がありません、むしろこの毛虫の毒針は人間に影響がありますからひょっとしたら人間対策なのかもしれません。
なぜその昆虫が発達の過程で毒をもつようになったのか、まだまだ未解明な部分がたくさんあります。天敵が不快と思えるような姿に進化していくことで、食べられないように工夫してきたのでしょう。
そう考えると、人間にとって不快と思えるような生きものや昆虫などが人間のことを天敵と思っているのかもしれません。
身近な自然から学び、子どもたちに一緒に生きてきた生物たちの智慧を伝承していきたいと思います。
コメント
「天敵がいる」というのは、自然界の仕組みというか智慧のひとつですが、それぞれが「天敵」対策をとりながら進化し続けると同時に、「生態系」が維持されているというのも不思議な仕組みです。私たちの世界でも「敵・味方」という分け方や認識がありますが、この背景にも「秘められた智慧」があるのでしょうか。