神棚の徳

先日、ある友人から会社の神棚を設置したいと頼まれ神棚を深めています。神棚の歴史は江戸時代中期頃に、伊勢神宮の「御師」たちが日本全国を行脚し、神宮のお札を各地に届ける中で発生したのではないかというのが有力な説です。

もともと古代の日本では木や岩や山などを神様として敬う風習であったため、神棚はありませんでした。その中で天照大御神が日本で最高位に位置する神様として伊勢神宮が日本各地の神域を代表する最高位の神社・神域とされお札をお祀りするようになり神棚を置くことになったように思います。

当初はお札を入れる簡素なものでしたが、次第に変化して現代では豪華絢爛なものからシンプルなモダンなタイプも出ています。

そもそも神棚になる前には、古代は宝物を納めたり、供物を捧げたりする場所としての棚が設けられました。今でも、神社の前に三宝を置いて供物を捧げます。また、大切な宝物や依り代になるものを大切に保管するためにお社も立派にできています。

私たちの先祖は、稲作を通して様々な行事や儀式を行ってきました。その中で、自然の恵みに感謝して自然の御蔭様を忘れないようにみんなで力を合わせて心を一つになるように文化を紡いできました。

それが次第に神棚を設け暮らしの中で日々に拝み感謝するという習慣をつくっていったのでしょう。最近では西洋建築になり、稲作にも触れる機会が減り、神棚のない家庭が増えてきています。

改めて子どもたちが安心して先祖の知恵と徳が伝承されていくように、神棚から丁寧に暮らしを甦生していきたいと思います。

  1. コメント

    「信仰」とは、本来こころの中に在るもので、いつでもどこでも「感謝」し「祈る」ことができます。しかし、「対象」がないと忘れたり、「身近」にないと面倒がったりするものです。「困ったときの神頼み」ではなく、日々の暮らしの感謝と報恩の誓いのなかで生きるためにも、各家庭に、本社(ほんやしろ)に通じる道があることは、非常に大事なことでしょう。暮らしの中にそういう「場」があることの重要性を再認識しておきたいと思います。

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