琥珀色というものがあります。これは飴色に輝いている透明感のあるものですが、長い時間の経過が色に入っているものです。私はこの琥珀色のものがとても好きで、飴色のものをみるとすぐにうっとりしてしまいます。
経年変化というものは、長い時間をかけてじっくりとゆっくりと積み重ねられてきたものです。この積み重ねというものが時間をかけて色合いを彩りその歴史を語るからです。
私は歴史を感じるときに心がとけます。
歴史とは、文化でもあり、心の在り処でもあります。私たちは日々に追われるように生きていますが、このいのちもまた先人たちがここまで紡いできたいのちです。いくら新しいように感じていても、魂は古く、琥珀色をしています。
そして初心や目的を忘れずに文化を伝承してきた姿から琥珀色や飴色の透明感を感じます。この琥珀色や飴色は、時には青いものもあれば、白いもの、黒いものあれば、赤いものもあります。しかしその色から放たれるものはすべて琥珀色や飴色を醸しているのです。
時を感じる力というのは、この積み重ねられてきた「徳」を感じる力です。
徳を引き出すということは、積み重ねてきた今を顕現させるということに似ています。それは自分も先人たちと同様に積み重ねる実践を行うときに顕現します。伝統を継ぐということは、徳を引き出すということでしょう。
徳を引き出し、子どもたちに伝承していきたいと思います。
コメント
ものごとは、学べば学ぶほど、その世界の深さが見えてきます。経験を積めば積むほど、先人たちの偉大さがわかってきます。「徳を引き出す」というのも、この感覚と似たものがあるのかもしれません。自分の生き方の真剣度、その積み重ねの程度に応じて、見える徳が違い、引き出せる深さが違うのでしょう。一つひとつに積み重ねられた歴史を、もう少し謙虚に学びたいと思います。