人類はまた歴史に遺るような困難に見舞われています。新型コロナウイルスを発端として、いつ来るかといわれた株の暴落。今回は実体経済の方まで自粛と閉店、活動休止により急激に停止させられています。
過去の歴史を省みると失業者で溢れ、食べ物がなくなり不満がたまりそこから戦争の火種が出てきます。特に現代のように平和ボケしてしまった状態では、何が起きたのかすら気づくのに時間がかかるように思います。
本来、リーダーの役割は危機に対して敏感に迅速に行動をすることです。いつか来るであろう日を周りが楽観視して誰も考えもしなくても、ただ一人でその孤独と向き合い、みんなを守るために粛々と自重しながら対策を練り続けるのです。
戦国時代であれば、いつだれがどのように攻めてくるのかがわからず、どんな時でも生き延びることができるようにと常に八方に注意を払い最善を盡してきました。その歴史を生き延びて今の私たちもいます。
そして世界中で自然災害に巻き込まれたときには、みんなが飢餓を乗り越えるために協力し合って助け合い連携してきたから今の私たちがあります。
困難はある一方から観れば人類が大きく修正し、成長するかけがえのない機会でもあり、それをどのように乗り越えるかで子孫へいのちをどのようにつなぐかの未来が懸かっています。
困窮するとき、困難に陥るとき、先人はどのような智慧をもってそれに正対したか。松下幸之助氏は「道は無限にある」の中でこのように語ります。
「われわれ人間の歴史をみても、おそらく三十年前には想像もできなかったと思われることでも、今日、現実の事実として次つぎとできていることがあります。これはいいかえると、人類の限りない発展の過程の一コマであるというようにも考えられるのです。ですから、決して困難なことはないというようにも考えられます。ただ困難にするかしないかということは、それを困難なこととして認識するか認識しないか、認識してそれを打破する道を見出すか見出さないかということだと思うのです。」
困難だから困窮するのではなく、困窮するから困難が悪いものになっていく。困窮するのではなく、こういう事態だからこそ道を拓こうとする。そうして道を拓く人は、困難を認めたうえで困難を打破することでより発展向上し成長するのであるということでしょう。
今までなんとなくずるずるとやってきたことをここで決別するいい機会であり、方向を完全に転換する最良の好機という見方もあります。大切なのは、ただじっとして困窮するなということです。
困難を前にしてあなたはどうするか、道を拓く人か、それとも道にどうする人か。
道は無限にあるのだから、自分の決めた道を歩むことが困難を乗り越える覚悟でしょう。子どもたちのためにも、道を拓いて新しい時代の幕開けを楽しみたいと思います。
コメント
松下幸之助さんは「困っても、困るな」と仰いました。それは、「困ったことが起きた」からといって、「困った心で考えてはいけない」すなわち、被害者意識に陥ったり、同情を求めすぎたり、あるいは、諦めたり、絶望したりと「否定的で後ろ向きな心」で考えてはいけない、ということでしょう。また「行き詰まるのは、行き詰まるような考え方をするからである」とも仰っていますが、考える前に、その「考え方」から見直す必要があるのではないでしょうか。