武士道を伝える書物、「葉隠」を記した江戸時代の武士、山本常朝がいます。この人物が、大変な時にこそどのように過ごすかということを話しています。
「大難大変に逢うても毫(すこし)も動転せぬといふは、まだしきことなり。大変大難に逢うては歓喜雀躍(かんきじゃくやく)して勇み進むべきなり。一難関を超えたる所なり。「水増されば船高し。」といふが如し。」
これは大困難や大変事のとき平静でいられるのは、まだ未熟な証拠である。大変な事態に遭遇したら、喜び勇んで立ち向かって行こう。これが一段突き抜けた境地と言えよう。まさにこれこそ、苦難を超える妙法であるといいます。
松下幸之助氏も似たようなことを言います。
「憂事に直面しても、これを恐れてはならない。しりごみしてはならない。「心配またよし」である。」
「万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。」
「人は何度やりそこなっても、「もういっぺん」の勇気を失わなければ、かならずものになる。」
過去に様々な困難を乗り越えてきた人たちの励ましの言葉は、時代を超えて心に響いてくるものがあります。人類は様々な困難を目のあたりにして絶望に何度も遭遇してきました。あらゆる困難をどのように乗り越えてきたか、それは歴史や先人の生き方からも学べます。
世界は、今回の感染症で新たな時代に移行していきます。この時こそ、萎縮するのではなく敢えてのびのびと挑戦した人が次の時代を切り拓いていくようにも思います。
その時、大切なのは何か。
それは「笑い」だと感じます。日本は古来から歴史に「和來」の効果を神話から語り継がれている民族です。こんな時こそ、笑って明日への希望を持ちたいものです。
最後に、外国(ドイツ)の諺を紹介して終わります。
「ユーモアとは『にもかかわらず』笑うことである」
この「にもかかわらず」という言葉、これが切り拓くためのキーワードです。敢えて、挑戦するという姿勢は私のモットーでもあります。
子どもたちのためにも、楽しみ味わい、豊かに挑戦していこうと思います。
コメント
何もやらない人は、言い訳を用意して「だからできなかった」と言いますが、同じ状況でもやる人は、笑いながら「それでもやった」と言うだけです。うまくいかないと、つい状況を説明したくなりますが、この「説明しようとする姿勢」自体に大きな問題があるようです。世の中の説明はすべて「後付け」です。心のうずきに説明は要りません。理屈で不幸を説明するのではなく、いかなる時も希望を失わず、「それでもやりたい」「もう一回やりたい」という気持ちに素直に動けるようでありたいと思います。