船頭の舵捌き

今回の新型コロナウイルスの感染症で、私たちは新しい常識と向き合うことになります。それは単にコロナと共に生きていくというだけではなく、人類のこれからの在り方の方を真に見つめることになるということです。

人類は、全世界で立ち止まる機会を得ました。こんなことは奇跡に近いことで、只管に自転車操業していたペダルを回すのを少しやめてみるという機会です。私たちの会社は、前回の東日本大震災のときからペダルを止めて、小舟に乗り換えてゆらゆらと大河に身を任せてここまで来ました。御蔭で、今回のことがあってもそんなに大きな意識の変化の影響はなく、来るべき時が来たかという具合でみんなで一緒に味わいながら歩んでいます。

しかし周囲の濁流もあり、流れる速度が速くなってきて小舟もまた風に吹かれて速度が上がってきています。これから小舟はどう対応していくのか、それが船頭さんの舵捌きにかかっています。

振り返ればうちの会社は創業以来スリル満点でしたから、またいつものようにこのスリルを味わいつつどのように小舟が子どもたちを渡していくか、日々に正対しています。

この舵というものは、船にはなくてはならないものです。そして舵の本来の役目は、方向を変更するためにあるのではなく「直進するためにこそある」といいます。つまり、曲がらないように保つためにあるのです。

目的地に向かって、船は進みます。しかしもしも曲がってしまったら、目的地にはいけません。曲がらないようにするには、舵を調整して曲がっりそうなものを直進するように元に戻す力です。

つまりは、ブレないように前進するために舵を捌くのが船頭の本当の役割ということです。会社も同様に、何かの有事において曲がりそうなとき、また直進するために調整する。そして最終目的地まで導くという大役です。

カグヤはこれからも子どもたちの100年後のために、私たちの働き方や生き方を譲り遺していきたいと思います。

  1. コメント

    小舟の舵取りには「棹捌き」も必要です。特に急流にさしかかったときは、岩にぶつからないように掉さして進路を正す必要があるでしょう。この舵と棹とは、志であり初心であり、私たちの信念です。またそれは、先人たちが遺してくれた生き方の智慧でもあります。子どもたちの未来社会のために、簡単にブレてしまわない徳循環の社会を創り上げていきたいものです。

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