昨日は、祐徳大湯殿サウナの傍に植えた石菖の上に苔類を移植しました。苔が土の上に被さると、効果的に水を保水して植物たちを守ります。水は土から蒸発して雲になっていきますから、毎日大量の水分が土から空へと上がっていきます。
しかしそれを土壌の枯れ葉や苔たちが覆ってくれていれば、その下には大量の微生物や虫たちの住まいになり快適な水分を保った土壌に変化していきます。水と土の絶妙なバランスで植物たちも快適にそこで生長していくのです。
何でもそうですが、場づくりとは、生き物たちの生育に適した環境を用意して見守ればどんな生物でもすくすくと育っていきます。育たないのは環境が適していないだけで、それはその生物が喜ぶような環境を観察することを怠ることで発生します。
例えば、私は庭で烏骨鶏も飼育していますがその烏骨鶏の土壌もまた熱帯雨林のようなフカフカなものにしていて常に発酵した状態です。鳥たちはその土壌で泥浴びを毎日楽しみ、羽についた様々な虫たちや菌を発酵した微生物によって清掃してもらっています。
また風通しが悪いと病気になりますから、新鮮な空気、また水は雨水タンクを用いて、庭先には運動できるような散歩道を設け、その近くにある雑草や虫たちを食べることができるように配慮しています。
鳥たちが仕合せになるような環境を設ければ、その中で産まれる卵もまたストレスフリーで美味しいものが育ちます。
これは農園や畑も同じことです。現在、造園中のメビウスガーデン(無双農園)も最初は土づくりからはじまります。土は量が多く、客土にしましたがここから炭を大量に用いて、微生物たちの住まいから造りこみます。私は炭を使うものですから、炭の持つ効果を最大限に発揮させ土壌を甦生させます。
炭は多孔質構造になっており微生物には最高の環境で住まいが整います。他にもミネラルがあり、遠赤外線もあり、触媒としての効果は群を超えています。私は微生物には触媒が必要であると考えており、これは純粋な発酵をしたお酒然り、酵素然り、微生物の居心地をよくするにはこの「触媒効果」が何よりも必要なのです。
これは私自身の身体で学んだことでもあり、同時に土もまた触媒としての効果次第でいくらでもその土壌の質を変えてしまうのです。
場の居心地を善くするというのは、そのもの生育の特徴や個性、その生きものの最も適した環境に近づけることが何よりも大切なのです。引き続き、子どもたちの場づくりの参考になるように自然からの智慧を伝承していきたいと思います。
コメント
「環境に恵まれる」という表現があるように、いままでは徳や運によってその環境に差があったかもしれません。これからは、もっと積極的に「個々人が本来の力を発揮するために必要な環境」を創り出す時代になるかもしれません。親が「見守り」によって子どもに相応しい環境を用意してあげられるように、会社が社員にそういう環境としての「場」を準備してあげたり、あるいは「自分に相応しい環境条件を自分で見つけ出す仕組み」などが必要になるかもしれません。