自然界では強いものが生き残ります。そのため、強い種を残すために日々に切磋琢磨され強さを伸ばしていきます。しかし環境の変化というものは無情でもあり、ある時を境に強いものが弱いものになったりします。
それは病気であったり、ケガであったり、もしくは気候変動によってそれまでの強みが弱みになることもあります。例えば、暑さに強い生き物が急に寒冷化によって弱い生き物になります。このように、自然界では常に弱者と強者が入れ替わり立ち代わり生き残りをかけて命懸けで変化しているのです。
ここではっきりするのがそれでは強者とは何かということです。
自然界での強者は言わずもがな「変化に適応するもの」です。
その時々の変化があってそれにもっとも適応していくとそれが強者ということになります。先ほどのことであれば、暑さに強かったものが寒さに強くなる。それまでの暑さに適応してきた能力を捨て去って寒さに適応する能力に切り替える。すると、強者のままでいられるのです。
しかし実際には、変化のスピードが速ければ早いほどに適応することが難しくなります。私たちの身体が熱中症になるのもまた、急に暑くなってきて身体が適応できないからです。同様に、急激な変化というものは私たちに適応する時間を与えてくれません。
自然界の生き物を観ていたら面白い現象があるものです。それはまるでそうなることを先にわかっていたかのように先に強みを捨てて弱くなり変化に事前に適応するものがあるのです。
それは大変なリスクであり、時として弱さからいのちが終わる心配もありますが自然界の変化にピタリと合わせてきます。その生きものたちが次の時代を担い創っていくのです。
強みはあるとき、弱みになる。そして弱みがあるときに強みになる。その道理は、自然は無常に変化するという真理ということでしょう。自然界最強の生き物とは何か、それは「適応する」生きものなのです。
変化するには、様々な能力が必要です。それは勇気だったり、志だったり、挑戦だったり、実践だったりと多岐に及びます。しかしもっとも大切なのは、信じる力であると思います。
変化は、見方を換えれば千載一遇のチャンスの到来です。引き続き、子どもたちの舞台を用意できるよう最善を盡して変化を味わいたいと思います。
コメント
「変化」の本質は「先に手放す」ということでしょう。「新しいものを得てから古いものを捨てる」というわけにはいかないようです。わかっていながらなかなか手放せないのは、いま握っているものを放してしまうと「自分の存在が危うくなる」不安があるからでしょうが、その不安の実体は、本能というよりは欲が生み出す執着のようです。そういう意味では、「変化せざるを得ないという仕組み」の中に、人を真に生かす道が用意されているのかもしれません。信じる力で変化し続けたいものです。