私たちは加齢していき、体の機能も減退していきますが意識の方は加齢しません。なので、実際に身体の声を聴いていなければ、身体と意識のバランスが取れなくなっていくものです。
例えば、若い時に食べれた量を同じように食べたら胃がもたれたり、疲れの取れ具合、また筋肉痛がやってくる時期などもズレていきます。このズレこそ、自分の頭の中にイメージして意識している自分の肉体と現実の違いがはっきりしてくるものです。
他にも急に手足を事故で失ったり、触覚や味覚障害などの五感の急な症状の変化でも意識と体の変化に気づくものです。つまりイメージが先にあり、それに合わせて体を動かしていくのです。そのイメージ通りにならなくなっていく変化を感じることは今の自分の状態を把握するうえで大切になっていきます。
ゆっくりと変化していくことにおいては、イメージのすり合わせはさらに困難になります。時計の針のように、数時間や数十分のズレならすぐに気づきますが、1,2分や数秒のズレには気づくことができません。
どこからズレを修正し、イメージを切り替えていく必要がありますがその方法は自分の状態を常にチェックしながら今の本当の姿を自覚自得して受け容れることです。
老いたくないと思っているからこそ、老いと向き合うことを避けてしまいます。しかし現実は老いていきますから、その老いはいくら避けてもそれこそ追いかけてきます。
老化することは避けられないからこそ、老化を遅らせていくことしかできません。若くなることは不可能ですから、老化のスピードを緩やかにして長寿社会の中でできる限り健康を維持していくのです。
仕事も同じく、かつてのようには働けなくなりますからその現実を受け止めて働き方も換えていく必要があります。そのためにも暮らしを見つめ直す必要があるのです。
先人たちの暮らしを見倣いながら、健康的な老いを味わっていきたいと思います。
コメント
『青春』という詩には、「人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる、人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる、希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる」とあります。また、『言志四録』には、「壮にして学べば、即ち老いて衰えず」とあり、さらに『五計』では、「老年はそれだけ値打ちのあるものでなければならない」と「老計」の重要性を説いています。しかし、現実は、衰えていく肉体との闘いであり、老いと折り合いをつけながらの日日です。「心躍る希望」を暮らしのどこに見つけるか?!「老計」によって、生きる力の本質に迫りたいと思います。