この時期は、あちこちで綺麗に咲く紫陽花の花を見かけます。いろいろな形や色に変化していく様子は、まさにこの季節の雰囲気を明るくしてくれます。幼いころは、紫陽花が咲くころにはカタツムリを探しにいきました。比較的大きな、カタツムリをみつけては紫陽花の主人のように振る舞う様子に不思議を覚えた記憶があります。
改めて紫陽花のことを深めてみるとその名前から不思議であることがわかります。
詳しいことはウィキペディアにもありますが、それもまたはっきりしない内容です。そこにはこうあります。
「アジサイの語源ははっきりしないが、最古の和歌集『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では「阿豆佐為」の字をあてて書かれている。もっとも有力とされているのは、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」がなまったものとする説である[8]。そのほか、「味」は評価を、「狭藍」は花の色を示すという谷川士清の説、「集まって咲くもの」とする山本章夫の説(『万葉古今動植物正名』)、「厚咲き」が転じたものであるという貝原益軒の説がある。花の色がよく変わることから、「七変化」「八仙花」とも呼ばれる。日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花、おそらくライラックに付けた名で、平安時代の学者源順がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。草冠の下に「便」を置いた字が『新撰字鏡』にはみられ、「安知佐井」のほか「止毛久佐」の字があてられている。アジサイ研究家の山本武臣は、アジサイの葉が便所で使われる地域のあることから、止毛久佐は普通トモクサと読むが、シモクサとも読むことができると指摘している。また『言塵集』にはアジサイの別名として「またぶりぐさ」が挙げられている。シーボルトはアジサイ属の新種に自分の妻「おタキさん」の名をとって Hydrangea otaksa と命名し、物議をかもした。これは Hydrangea macrophylla と同種であった。」
なんともはっきりしない由来ばかりで、しかも間違って使われている事例ばかり。まさに七変化の象徴のような花であるのを感じます。
うちの庭にあるものは、野生種のヤマアジサイです。独特な形をしていて、緑と花が交互に折り重なるように咲いているので透かしもあり涼し気です。
このヤマアジサイは九州や四国に分布している種だそうで、むかしから私の故郷の地域の山や沢に咲いていたのでしょう。それがうちの庭にもあるというのは、どのようにここに運ばれて来たのかわかりませんが時と場を感じます。
こうやって、その土地に相応しいものやいつまでも変わらずに存在するもの。変化しないものと変化するもの。紫陽花から色々と学び直す機会を得ています。
子どもたちにも紫陽花の美しさを豊かに鑑賞するゆったりとした時間を持てるよう環境を用意して見守っていきたいと思います。