ブロックチェーンにはDAO(Decentralized Autonomous Organization=自律分散組織)という言葉があります。最近は、このDAOについての話も増えています。このDAOの理解は、一般的には中央集権の反対の意味に捉えられています。つまり特定の一部の管理者によって管理運営する仕組みではなく、みんなで平等にお互いに見守りあって主体的に運営する仕組みです。
これをブロックチェーンで、このシステムを用いることで参加者がスマートコントラクトを使いある一定のアルゴリズムの共通のルールに従い、そのルールによって自律的に運営することができるようになっています。
会社で例えるならば社長だけが決定権や責任をもっているトップダウンの管理型のタイプか、もしくは社員が全員経営者でありフラットに尊重し合って働くタイプかのような違いになるでしょうか。
シンプルに言えば、どれだけ一人ひとりを尊重して大切に経営するかということができているかということがこの自律分散型の要諦ということになると私は思います。
ブロックチェーンそのものが改ざんできない、そしてオープンで隠せない仕組みになっていますからそこに参加する人たちはお互いを信頼できます。そのうえで一つの共通ルール、価値を設定します。そこに参画する人たちは、みんなでその取り組みに対して自発的に主体的に関わり協力していきます。
この自律分散の本質は、協力と相互扶助を実現させるところによります。つまり単に自律が目的ではなく、協力しあう関係をさらに一層深めていくために自律分散をするということです。
自律=協力であり、この2つは同じ働きをするものです。今の時代、人間が成熟し自立していくためにも自律は必要不可欠でありそしてそのためには協力を通して自律の本質を体得していくしかありません。つまりブロックチェーンのDAOの仕組みは、自律分散型という意味で理解するよりも如何に人々が思いやり助け合う仕組みを理解するかの方が私は重要だと実感しています。
その理由は、古民家甦生を通して「結」という考え方を実践し、そこで協力し合う仲間たちが自律分散し助け合う中で垣間見るからです。
人類にこの技術が必要なのは、みんながつながって関係していること、そこにみんなが平等に関わっていること、つまり一人ひとりの投票や行動が世界をよくもわるくもできるということをブロックチェーンの技術で実現できるというところにあります。
子どもたちが未来に、今の世代が好き勝手やったツケがまわっていかないように今の世代の責任がDAOで果たせるように仕組みを開発していきたいと思います。