駆虫薬の歴史のことを調べているといろいろなことがわかってきます。昔はといってもまだ100年未満ですがその当時はさまざまな寄生虫の問題がありましたからそれぞれに虫下しといって薬で駆虫をするのが当たり前だったのがわかります。
最近、そんなに駆虫薬や虫下しの薬を服用する機会もなくなりましたが改めてその辺のことを少し調べてみたいと思います。
この駆虫薬(くちゅうやく)は寄生虫を殺すか体外に排出するために用いられる薬の一種のことでそれを別の言い方で虫下し(むしくだし)といっていました。 日本では、昔からセンダンなどの植物やマクリ(カイニンソウ)などの紅藻が虫下しとして利用されてきたことが有名です。
人につく寄生虫はわかっているだけでも約200種類、日本でも100種類程度あるようです。しかし実際にはもっと多い寄生虫が世の中には存在しているといいます。この寄生虫は、原虫という顕微鏡でしか見えないものと、ゼン虫という人の目でも確認できる大きさのもの、そして人の体の表面に寄生したり、毒物によって危害を及ぼすノミやダニ、シラミなどに分けられるといいます。
実は日本は戦後は、寄生虫大国で人口の8割を超える感染率でした。それを撲滅するためにあらゆる虫下しや予防が行われました。思い出してみると、幼いころはギョウ虫検査をしていました。そして虫下しにチョコレート味の薬を服用していた記憶があります。現在は、経済発展により下水道やトイレなどの衛生環境の改善や、化学肥料の導入、診断や治療の進歩によって寄生虫感染者は激減しているといいます。しかし世界では寄生虫による病気はまだまだ多く今でも世界の人口の約4割がかかっているといいます。
そして現在でも、寄生虫は、サバやイカなどの魚介類、豚肉、生野菜など、あらゆる食べ物に潜んでいますから加熱処理や冷凍処理、食事前の手洗いなどを気を付けるしかありません。と一般的には、寄生虫の中の悪い側面には駆虫薬が必要です。
しかし以前、「カイチュウ博士」として知られる藤田紘一郎さんのことを調べたときに微生物や回虫が人体に好影響を与えていることを知りました。全部を駆除するのではなく、調和する方法を考えることもまたこれからの寄生虫とのかかわりになっていくように思います。
イベルメクチンも放線菌という微生物からいただいた智慧での治癒薬です。微生物の世界を学べば学ぶほど、排除するのではなく尊重することの大切さ、生態系というものの真理があることがわかります。
子どもたちのためにも、どうやって人類が今まで生き延びてきたのかを嘘偽らずに伝承していきたいと思います。