中国の長江でこれから10年間の禁漁措置を始まります。これは急減している漁業資源の保護のためです。そのため流域で働く漁師計約30万人に失職することになるといいます。実際には漁獲減の根本的な原因とみられているダム建設は続いており、禁漁だけで解決するのかという問題もあるそうです。
他にも調べると、禁漁期間が終わってからの乱獲の問題、密漁の問題などもあり実際にはどうなるのかはこれからの様子次第でもあります。鵜飼など伝統的な漁業なども喪失していきますからこれは大変な措置です。しかしこのままでは魚が全滅してしまうということで10年間という期間、川をそっとしておこうという実験ということになります。
もともとこの長江は青海省のチベット高原を水源地域として中国大陸の華中地域を流れ東シナ海へと注ぐ川のことです。全長は6300kmで、中華人民共和国およびアジアで最長、世界でも第3位の大河になります。この川が禁漁というのだから大変なことです。
日本だと一番長い川は信濃川で367キロですからどれだけこの長江が凄まじい長さであるかがわかります。この川の魚がいなくなっているのだから、その損害はまた世界から見ても恐ろしいレベルです。
人間は、短期的に自然を搾取してお金にしますが自然はとてもゆっくりと回復していきます。自然の回復は大きいほどに緩やかですからその緩やかな回復を邪魔をするほどに搾取すれば回復する速度が追いつきません。
例えば、人間の身体もそうですが恢復は自然と同じくゆったりと治癒していきます。その治癒の途中にまた無理をすれば治癒が働かなくなっていきます。時間をかけて治癒していくものだからこそ、私たちはその治癒した分の余力で生きて暮らしてきたともいえます。
自然界も同様に、自然循環で発生し生まれた利子の分だけで暮らしていけば永続的に人間は生きていくことができます。つまり自然に寄り添い、自然を富ませ豊かにすることでその分の恩恵の中で暮らすことが私たちが循環の一部となって自然と一体になって地球での生活が保障されるということです。
人間は、地球の大きさに甘えてやりたい放題していきますからそれがいつか限界が来た時、真に反省するのかもしれません。長い歴史の中で文明は何度も滅んでいます。その滅んだ理由はほとんどが自然災害や自然が回復せずにその場所で生きられなくなったものだということもわかってきています。
何度も何度も同じことをして滅んでしまうのは、人間の一つの業なのかもしれません。子どもたちのためにも、その業と対話し、その業への向き合い方を転換し、暮らしフルネスを通して実践を伝承していきたいと思います。