場の道場の心得

人は守るものがあることで強くなります。本当の強さとは、守る強さのことです。この守るは、何を守るのかでその強さの質が変わっていきます。人には、それぞれの正義がありその正義を守るために争ったりもします。

しかし本来、守るものは外側にあるのではなく自分の内なるものの中にあります。その内なるものの守るというのは、己の心の中にあるものです。己の心の中にあるものを守るとき、人は争うことをやめととのえようとするのです。

それは敵対するものではなく、自分の一部であることを深く感得するからです。その相対的な存在も含めて自分自身であると悟れば、私たちはそのものを許し、理解し、そのものと一体になった調和の道を探す必要が出てきます。

その時、私たちは己心の平安を保つために精進していくのです。

そうやって何千年も前から、私たちは「人」であろうと努力してきました。人であろうと努力するとき、人は本当の強さを持つように思います。その強さは、「人であることを守る」ということです。

徳を積むことや、恩義に報いること、真心を盡すこと、心を澄ますこと、また信仰や感謝の心で生きることはこの人であることを守るためにあります。外側から教え込まれた知識ではなく、自分の内面の奥深くに学びにいくというような学問がなくなっていき、今は自分をととのえていくことの重要性を理解しない場所が増えていきました。

人類は、過去の歴史がそうであったように一人ひとりが己心を平安に保つように修行しないと人ではなくなるような所業をします。人とは何か、真の人格とは何か、そういうものをむかしはとても重要な徳目として大切に向き合ってきました。

この先の未来、そういうものを学ぶ場が必要で人はそこに出会うと今までとは別人のように変化し学び直しをはじめます。志を持つことで人を本当の人に変えてしまうからです。

松下村塾などもきっと、「人」を育てたのでしょう。志をもって万事の源とすると吉田松陰はいいました。つまり、根源は志であり、それが学問の根幹であるということです。そしてその志に必要なのが、何を守るかという自問自答なのかもしれません。

場の道場では、これを学び、これを体験し気づけるような環境をととのえています。子どもたちの未来に確かな道がつながるように、精進していきたいと思います。

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