現代社会は消費の時代です。消費することでお金にして、冨を増やします。消費することを善として、消費しないことを悪ともしています。環境が消費を中心に動いていますから次なる消費を産み出した人が富を持つという具合です。
結局は、その前提となっているこの消費をなんとかしない限り私たちは消費を手伝っていることにすぎません。消費することはもちろん必要ですが、本当に消費なのかということをもう一度考え直さなければなりません。
私たちは生まれてきた時から、何かを生産はじめます。この生産という字は、生まれると産まれることで存在します。そして最後は死を遂げて甦生します。本来、死は更なる生への更新ということです。これは消費ではなく、甦生です。
私が甦生家で甦生にこだわっているのは、消費も原点回帰しようといっているのです。つまり寿命のことです。
寿命を大切にするというのは、これは動植物に限らずこの宇宙のありとあらゆるものが大事にしてきた本質です。
寿命を伸ばしていくことは、私たちが本来の消費に原点回帰することです。そのための手段として甦生が必要なのです。
この世は、ありとあらゆるものが有機的につながり、そしてそれは時とつながり、場とつながり、記憶とつながり存在しています。その存在は生産というよりも、ご縁です。
このご縁を結んでいく中に、私たちが今、存在していることの中心があり、そのご縁を生きているからこそつながりは永遠に織りなしていきます。だからこそ、時にはそれをひも解き、もう一度結び直します。複雑に絡み合って身動きができなくならないうちに、丁寧に解いていきまたはじめから結直していきます。
それが私の言うお手入れです。
お手入れをしていくというのは、寿命を全うするための手助けです。
暮らしフルネスのもっとも重要な要諦はこの一点です。子どもたちのためにも、徳を積み、徳に報い、真のあり方を仲間たちともに伝承していきたいと思います。