私たちは歴史を生きていますが、その時に何よりも重要になるのは記録です。どのような経過で何をしてきたのか、それを遺すことはとても意味があることです。それを読むことによって、私たちはその出来事から真実を学ぶことができるからです。
ちょうどヨーロッパで戦争がはじまり、第二次世界大戦の頃のことを知りたいと思うようになります。あの時の虐殺の歴史や人種差別、あらゆる人間の行いがどうでったのかを考え直すのです。
アンネの日記というものがあります。
ユダヤ人迫害から潜伏していた場所で書き綴った日記です。この日記はアンネの一家が拘束された後、秘密のアパートで見つかりました。今ではその日記が世界中であららゆる言語で出版され多くの人たちに読まれています。
私たちは、その人生の記録や記憶は空間にいつまでも遺っています。しかしそこにアクセスするには、その空間と繋がっているキッカケが必要だったりもします。もちろん、遺跡や建物、そして暮らしという媒体でアクセスすることもできますが日記や詩などもその方法の一つです。
今の時代、あの頃に何が起きたのかを思い出し私たち人類は大切なことを忘れていないかを再確認する必要性を感じています。
アンネの日記から、いくつかの言葉を紹介します。
「私は理想を捨てません。どんなことがあっても、人は本当にすばらしい心を持っていると今も信じているからです。」
「私達は皆、幸せになることを目的に生きています。私たちの人生は一人ひとり違うけれど、されど皆同じなのです。」
「あなたのまわりにいまだ残されているすべての美しいもののことを考え、楽しい気持ちでいましょう。」
「澄みきった良心は人を強くする。」
「たとえ嫌なことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを私は今でも信じている。」
「私が本や新聞記事を書く才能がなくても、いつでも自分のためには書くことができる。」
「私は、また勇気を奮い起こして、新たな努力を始めるのです。きっと成功すると思います。だって、こんなにも書きたい気持ちが強いんですから。」
「私は、死んだ後でも、生き続けたい。」
私もブログや日記を毎日、書き綴っています。アンネには会ったことはありませんが、共感することがたくさんあります。こうやって書き綴っている間は、まるでそこにいるかのように日記を通して語り合うことができます。
時代を超えても語り合えるものにこの記憶や記録があるのです。
時代は変わっていきますが、どのとき、どう生きたかという魂の声や勇気を分け合いながらその時々の人生の記憶を子どもたちのためにも記録していきたいと思います。