宿坊の掃除を続けていますが、なかなか片づけがうまくいきません。もともと収納が少ないこともあり、長い年月で大切にされたものをどう片づけいいのかが定まりません。この片づけるというのは、語源を調べると決着をつけることや仕舞う、直すにもつながります。
色々と残った道具をどうしていくのか、収納できないから片付けるのですがどう活かすか、どこで使うかなど思案のしどころがいっぱいです。新しい役割があり配置できればいいのですが全部は難しく、どうしても悩んでしまいます。
一つ一つを掃除しながらも、一時的に置いておくようなものも必要です。しかしその置いておくものもまたお手入れを続けていく必要があります。将来のために、これはここまでにしておく、いただいたものだからそれをどう直しておくのか。これは先人たちもみんな思案のしどころだったのでしょう。
物が多い時代、それはすぐに捨てるものになります。しかしかつての時代は、ものにはいのちがあり、物語や意味があるからもったいないものでした。もったいないものだからこそ思案するのです。
思案するのはかつての過去を辿り、未来を省み、今どうするかを決心していくことです。大切なものだからこそ、そこに意味が入ります。
宿坊の歴史は今も続いていますが、その続いてきたものをこの先どうしていくのか。片づけるというのは、直すことでもあり、その本質を磨き甦生することです。
子どもたちのためにも充分に思案を続けていきたいと思います。