今を守り続ける

私たちが存在している今というものは、過去も未来もすべて混然一体になったものです。つまり一つのものです。その一つのものを今という認識をしますがこれは今を変化し続ける存在であるということです。

その「今を保つ」というのはどういうことでしょうか。

それは今を常によりよくしていくことに他なりません。今をよくしていくというのは過去にも未来にも執着せずに今を創り続けていくということです。そのためには、どのような未来にしていくか、そして過去はどのように積み重ねて体験してきたか、その連続と継続の中の意識が重要になります。

今の意識をどのように保っているか、それが今を保つということです。今というのは意識です。この意識を一瞬一瞬何に傾けているのか。意識を変えていくというのは、目には見えないハタラキを動かしていくということに似ています。

この世の現実というものは、その物質、意識、両方が活動して顕現してきます。この現実の世の中においてどのような意識を保つのか、これは一つの生き方の実践です。

意識というものは、目には見えませんが人づての意識を通してそれがいつまでも受け継がれていきます。伝承者たちがその意識の存在を受け取り、それを磨きその時代に相応しいものに変化させていきます。そうやって常に意識を新鮮に保つことで、意識が甦生し続けて新しくなります。

私たちの身体が生死を繰り返して新しくなっていくように、意識もまた生死を繰り返して新しくなっていくように私は思います。そしてこれは、身体感覚との調和によって結ばれていくように思います。この結びは、かつては「むすひ(産魂)」ともいいました。万物のいのちが衰えて失われそうなときに甦生させる古来からの知恵です。

私の言う、甦生でもあります。この甦生は、徳を磨くことで行われます。そしてこの徳を循環させることであらゆるものが結ばれていきます。暮らしフルネスもまた同じ仕組みです。この方法や仕組みは私がつくったものではなく、むかしから日本に伝承されてきた仕組みを今の時代ならどの道具でやるのかということを温故創新しているに過ぎません。

今は、自分自身と意識が結ばれ続け、世界全体の意識と結ばれ続けていくかで由ります。縦軸と横軸が結ばれて、円環していくかのような感覚です。

子どもたちがいつまでも仕合せな暮らしが続けられるよう、今を守り続ける力を結び甦生させていきたいと思います。

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