土間の魅力

昨日は、古民家の和楽で朝から掃除をしながら友人たちと一緒に銀杏拾いを行いました。土間では、色々な人たちが行き来してそれぞれに近況や雑談をして楽しみました。

土間は、縁側と同様に日本家屋の魅力の一つです。外と内をゆるやかにつなぎ、家と自然との境界を結ぶものでした。外からもは入りやすく、内からも出やすい環境は人をつなぎ、人との関係性も豊かにします。

この土間の歴史はもともとは縄文時代の竪穴式住居にあるといいます。あの建物を観たことがある人はわかりますが、床は全体が土間でその上に藁などを敷いて暮らしました。 藁ぶきの古民家の原型は、竪穴式住居であったことは簡単に想像できます。

長い時間をかけて、用途にあわせて発展させていったのです。これが江戸時代の頃には、土間から小上がりになり板間や畳といった裸足であるくスペースになりました。そのままご近居さんや友人、来客の交流の場になりました。

これは縁側と同じく、プライベートではありますがパブリックな空間になっているということです。かつて日本人がどのように生きてどのように周囲と協力して暮らしてきたかは日本家屋から感じます。

特にこの縁側と土間は、周囲に閉じずにいつも開こうとするつながりや関係性を大切にして見守りあってきたことを直観させます。現代では、個人主義が入ってきて家は完全にプライベートになっています。誰でも入ってくるということはまずありません。鍵が閉まっていて防犯上危ないからとなっていますが、外と内をつなぐゆるやかな関係性までなくなったことで孤立も感じやすくなったのかもしれません。

土間は他にもみんなで一緒に作業をする場所であり、共に食事をするところでもありました。また家畜といって生活を支え合った仲間を守る場所でもありました。土間にいると安心するのは、こういう先人の知恵がいつまでも空間に宿っているからです。

時代が変わっても、本来の生き方を体験すると安心して豊かです。子どもたちにも、先人たちがどのように長く暮らしを味わってきたのかを具体的な実践を通して伝承していきたいと思います。

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