静かを守る 守静坊

秋の風がふいて道を枯れ葉がカサカサと走り抜けてきます。そのあとには緩やかで眩い透明な光と静寂が訪れてきます。寂びた風景に心が静かになります。

人間の喧騒はどこ吹く風で自然はいつもの自然の景色です。

大地や空、雲や海、それぞれに静かさを持っていてそれを捉える寂しさがあります。

人は競争させられたり、比較されたり、戦いを挑まれたりして揺さぶられると感情が波立つものです。そこに抗い、反発してまた乱れるものです。しかし自然はどうかというと、とても静かで素直です。ありのままの姿であるがままの姿です。自然の動きに従い静かに受け容れていきます。

謙虚さというものは一つの偉大な静かさであろうと思います。そして素直であることもまた静かさです。

静かさの中には、自然に生きるという天の道があります。この天の道を歩むとき、私たちは地球と共生をしていることに気づきます。そして人の間にも、連綿と繋がっている歴史やご縁があり、そこに人を思いやることの大切さを自覚する自己があります。

自己を磨いていくことは、自然と共に歩み日々を高めていくことです。

そんな天命を生きることにいのちは至上の喜びを感じるものです。

静かであることほど真の幸福はありません。

その静かさを守れるかどうかは、その人の生き方次第です。

徳を志すものは、たとえ独りの時であっても徳に恥じないように生きるといいます。言い換えるのなら、たとえ他人がどうであろうが一人静かに徳を実践するということです。

そしてそれほど仕合せなことはないという事実です。

一人一人がそう生きられるのなら、文明も人類も未来は希望に溢れています。子どもたちが憧れる未来へ向けて、どう生きるのか、引き続き自然から学び、研鑽を積んでいきたいと思います。

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