建国の理念というものがあります。これはどのような国家にするのかというものです。実際に、明治に入り国家というものが樹立したと歴史では語られます。確かに、国家宗教をはじめ国家教育、法整備などあらゆるものは西洋に倣いその時代に作られていきました。しかし本当に国家というものが誕生したのはいつでしょうか。それは明治ではありません。それは親祖といわれる、古代の日本の神話、古代の先祖がまず理念を定めて子孫たちがそれを実現しようと繋いできた伝統伝承の中にあることは間違いありません。
本当はどのようなクニを目指していたか、それを知ることが心の故郷を甦生することであり、真の日本人を甦生することでもあると私は思います。
歴史にはその真実が残っています。
古代の遺跡にも、また万葉集をはじめその時代を生きて人たちの心のつながりの中に今でも創始の理念があるのです。
世の中や時代が大きな混乱をするとき、人々が大切なことを忘れてしまったその時こそ、その始祖の生き方、思いを思い出すことが必要だと私は思います。私が、かんながらの道を綴るのもまた日々に始祖の理念に立ち返ろうとするからです。
目には見えませんが確かに存在する始祖の願いや祈りは、すべて徳の中にこそあります。まさに徳樹深厚の実践が今でも私たちに受け継がれていることの中に見出せます。
混迷の時代、終末が近いからこそ原点回帰は今の世代のリーダーたちの大切な役割です。
子孫のためにも、始祖の理念を甦生させ根からもう一度真の養分を吸収できるように挑戦していきたいと思います。