食文化と家庭教育

食文化というものがあります。この食文化は、食( 食事 )にまつわる 文化だと定義されます。 食文化には、 食材の選び方、 献立の立て方、 調理法といったことから、 食器の選び方、また誰と、どのように食べるのか、といったことや、 作法 ・ マナー などに至るまで多くのことが含まれると記されます。

これはどこで一番継承されていくのか、それは各家庭です。祖父母や両親から子どもや孫へと受け継がれていきます。具体的には郷土料理や伝統料理など地域や家庭で受け継がれてきた料理や味、箸使いなどの食べ方・作法を受け継ぐことなどです。

この食文化は、風土のことを学ぶのにとても重要です。自分たちの地域がどのようなものを生産できるのか、そしてどうやって調理して工夫してきたか、またその方法やルール、これらの総合的な知恵が含まれています。

食文化がなくなるというのは、総合的な知恵が消失するということです。

知恵が消失するとどうなるか、それは風土が消失することと同じです。風土の多様性が消えれば、その地域の持っている持ち味や特徴も消え、さらにはその風土で醸成された他の文化も消えていきます。

食は人とつくるものですが、食文化もまた風土をつくるものです。だからこそ、文化醸成の中心はこの食であることを忘れはいけません。

私たちの故郷においては、高菜というものが食文化として存在してきました。高菜は九州の特産品のようにいわれていますが、中国から伝来し私たちの故郷の風土に次第に定着し風土に合うように進化してきました。少し前までは、どの家でも高菜漬けはつくられており毎日の食卓には高菜が並ばないことはありませんでした。

しかし今では、これは私たちの地域だけに限りませんが食文化は西洋化や流通や教育によってほとんど崩壊しています。家庭での食が換われば、文化もすぐに影響を受けるのです。

本来、地域の教育や人財の育成は家庭教育ににこそあります。この家庭教育とは、先祖から子孫へと連綿と受け継がれてそれぞれの徳性や持ち味を継承してきました。その中心が一緒に食べることからが最も影響が大きいのですが、その中心の食文化はまさに地域甦生の要諦であるのは間違いがないことです。

故郷への恩返しの一環として、この食文化を甦生させていくことを挑戦していますが仲間と共に、この時代に合ったものに調えていきたいと思います。

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