プロセス

本日は、横浜にてフォーバル社主催の「子どもと園のための情報セミナー」にて講演と対談をしてきた。第一部のテーマは、「情報という媒体の本当の使い方」について。

カグヤは創業以来、ずっと園のIT環境の創造や支援に尽力してきた。
無形の情報をどのように可視化していくかをテーマに、様々なサイトの製作に関わってきた。その中で、園の良いところをもっと引き出しながら保護者や地域へ正確にきちんと伝えていこうと様々な情報の中から「こだわり」を絞り込みそれを具現化するお手伝いをしてきた。

5000近くも園を訪問し様々な情報を問題意識と危機感を持って周ると同じような園でもまったく違ったものが情報として観得て来る。

師匠も仰っていたが、力がある人とは「異なるものの違いが分かるのではなく、同じもののなかから本質的な違いが看取れること」なのだ言った。私も情報という分野についてはまさにそれが最初に身につけるべきリテラシーのひとつだと思う。

園では子ども達のために日夜努力しながら子どものための環境をそれぞれに整備していて、そこには園長の人生観や保育者の思い、創始からの文化などがよく反映されている。

自分で分かった気にならずオコガマシクも誤解を恐れずに語れば、私が園へ訪問して玄関に入ればすぐに雰囲気というか園がどのような状態なのかが直感で伝わってくる。ほとんどそれはよほどのことがない限りはあまり外れない。

これも怖いことだなと思うのだが、科学的ではないけれど理屈ではこのように分からないものが全体ではオーラのように理念は外側ににじみ出て表出する。

そうやって、本物は集まってくるし、本物は出来上がってくるのだと思う。

しかし昨今、目を喜ばせる刹那的な情報だけを売りに変な業者がどうも子どもを見世物にして安直に保護者のニーズに応えようとする傾向が見られるのも本当に悲しいことだと私は思う。早期教育をはじめ、子どもの衣装や園バスなど、いわゆるすぐに分かりやすいものばかりに飛びついていこうとするのは果たして子どもを愛するという観点からはいったいどうなのだろうかと思ってしまう。

なんだか贋物思考というか、小手先のマニュアル主義的なバブル時期の虚妄のノウハウが見え隠れする。

そういえば話が違うが先日、ある人から各々の会社の昨今の新卒採用状況の話を聴いた。学生というか若者をどうしたいかという観点では園と同じようなものなので参考になった。

現在、団塊世代の一斉定年を迎え新卒学生採用のニーズは高まっている。大手企業が様々な媒体を使って学生を募集する。そして中小企業は、同じようにより個性を出してよい会社だと表面上を売り込み様々なツールで引き込もうとする。さらには、大手は内定を出しても学生が何社も受けるのでとにかく面接では数多くの内定を出し残った人たちからまた採用の絞込みを行うようにしている。

学生は、すぐに内定が出るので自分が如何にもすごい人材だと錯覚しているそうだ。だから学生の態度や姿勢、その志の品質などどんどん下がっているそうだ。

弊社の契約している人事コンサルタントは今までに一万人以上の人材の面接をしてきた方だ。その方は、これはいけないと面接時に思ったらその場でその学生を叱り飛ばし説教をしたりする。

熱い人なのかと思っていたら、日本に立派な若者を育てたいという真摯な信念からなのだろうと今では思う。

今はそこまでしない世の中になったが、逆を言えばこんなことはそれだけ企業側がしっかりと学生というか日本の若者を真剣に育てようという志があれば以前は当たり前にできていたことだと思う。

今は、当たり前のことがなくなり特殊なことばかりが注目され、みんな当たり前のところで滅亡していく。

きっと平和ボケとはこんなものなのだろうなと思う。

この先の日本の大混乱と人材不況と未来の欠乏には心を本当に痛める。
できることならば、そして間に合うことならば、今、思いある人たちと気づいて世の中に未来の素晴らしさを遺して生きたいと本当に思う。

話を戻すが、保護者も子どもも地域も職員も業者も、みんな次世代のために「育てていく」という言葉がとても大事ななのではないかと思う。

「育てていこう」

この言葉には、未来へ引継ぎ高い志と使命感が垣間見える。

私達は、日々の仕事の中で様々なかかわりがある。

安直に目先の「損得勘定」で割り切るのではなく、私の造語だが「尊徳環状」で永遠に次世代へ周していけるようにしていきたいと心底思う。

私がご縁があり経験してきた様々な出来事から本当に園が持つ素晴らしい個性や情報が、ちゃんと世間へ情報として伝わり、保護者、地域を育て、子どもを変な見世物や見せ掛けにし世の中が異様に蹂躙されないように高い志のままに、情報(IT)というものをこの先もずっと質を高めて学び続けて行きたいと思う。

  1. コメント

    今働かさせていただいている中で、子どもたちの事をどれだけ真剣に考えているのか?考えさせられます。周りの仕事や環境を否定するのは簡単な事かもしれませんが、その中でもしっかりと自分自身に矢印を向け、大切なものを見失わないようにしなければという事を改めて感じます。又自分自身がコンサルタントとして一体何がやりたいのか、しっかりと信念を持った中で働くということがどれだけ幸せなことなのか、自分の実践を通して周りの人を感化できる自分でありたいとおもいます。

  2. コメント

    相手の雰囲気を観て、どんな問題があるのか感じることができないのはもっと相手に対して感じる力、洞察する力がないからだだと感じています。
    相手のことを考えること思うことは身に付けるものではなく、相手のことを相手よりも考えること、興味をもっと強く持つことで、自分の中心で物事を判断しないことだと思います。世間一般では自分とは価値観が違うので、一人ひとり違って良いとは思いますが、共感することとは別のことだと思うので、自分を客観的に見て、どのような価値観に変えていくのか考え続けていきたいと思います。
    人間として自律し、子どものお手本になるようになっていき本物の自分、人間になれるように日々外見ではなく内面を磨き精進したいと思います。

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