光の徳

英彦山の守静坊にいると夕日の美しさにいつも心身が癒されます。もともと太陽というものは、私達人間だけでなくあらゆる生き物にとってはなくてはならない大切ないのちのエネルギーです。

なので、太陽は私達の心身を助ける薬にもなります。そもそも薬というものは、本来は毒の一つでもあります。これは地球にある酸素のように私達は酸素がなければ生きていくことはできませんが酸化といって毒になる部分もあります。

この毒というものは、同時にいのちを助ける存在になるのです。しかし、このバランスはとても絶妙にできています。

例えば、朝日や夕日の光を浴びると不思議と元氣になります。しかし、あまりにも長時間、そして強い光を浴びれば疲れてしまいます。

この元氣と疲れのバランスも毒と薬の関係に似ています。過ぎたるは及ばざるが如しということです。

このちょうどいいというバランスがわかることが、自然であるということです。

余計なことをしない、やり過ぎない、少しだけという感覚は日々の自然のリズムを五感で感じていると近づいてくるものです。

食べ物をはじめ、暮らしのなかにはこの自然もの付き合い方がいつも試されます。病気にならないのは、健康で保つには、自然のもつ性質に沿って適度に光を調整していくことに似ています。

心身の癒しに意識を合わせることは、自然の妙味に気付き徳を磨いていくことに似ています。

この場所の素晴らしさを多くの方々と共に伝承していきたいと思います。

 

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