護符の伝統

護符をつくるなかで辰砂のことを知りました。もともとこの辰砂は、賢者の石や不老不死の霊薬とされていたり日本でも鳥居などに使われ魔除けの存在として重宝してきました。護符にこの辰砂が使われるのは、魔除けの意味も強かったように思います。

この辰砂は硫化鉱物のことで、水銀の主要な鉱石で有名です。2000年以上前から採掘されていて日本でも古墳時代や弥生時代にも石棺や壁画などで使われています。

もともと辰砂の名前の由来は、ウィキペディアにはこう書かれています。

「中国の辰州(現在の湖南省近辺)で多く産出したことから、「辰砂」と呼ばれるようになった。日本では弥生時代から産出が知られ、いわゆる魏志倭人伝の邪馬台国にも「其山 丹有」と記述されている。古墳の内壁や石棺の彩色や壁画に使用されていた。漢方薬や漆器に施す朱漆や赤色の墨である朱墨の原料としても用いられ、古くは若杉山辰砂採掘遺跡(徳島県阿南市水井町)、伊勢国丹生(現在の三重県多気町)、大和水銀鉱山(奈良県宇陀市菟田野町)、吉野川上流などが特産地として知られた。平安時代には既に人造朱の製造法が知られており、16世紀中期以後、天然・人工の朱が中国から輸入された。現在では大分県、熊本県、奈良県、徳島県、などで産する。」

現代ではあまり使われることがなくなりましたが、本来はこの鉱物に不思議な力があることを古代の人たちは直観したのでしょう。形式だけが残り、今では赤い色であればどれも同じだと思われますが本来はそうではありません。古来から絵具として使われてきたのにも意味があります。

絵もむかしは娯楽ではなく、一つの御呪いとして使われてきました。絵はそれだけ不思議な力があり、私たちの暮らしを支えてきたものです。

護符づくりを通して、古代の人たちが護符にどのような思いや願いを籠めてきたのかを学び直しています。丁寧に取り組み、さらに護符を深めてみようと思います。

 

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