魔除けの場

魔除けというものがあります。この「魔」という字は、一般に、人の心を惑わす悪鬼(悪魔)や災いをもたらす魑魅魍魎のことをいわれます。もともとはサンスクリット語のマーラの音写の短縮形で魔羅(まら)といい殺者、障礙からだといわれます。

むかしから、魔というものが存在しその魔から心身を守るために御守りというものや御呪いというものがありました。これを魔除けといいます。身近な暮らしの魔除けには色々とあります。神社や玄関のしめ縄であったり、屋根の鬼瓦であったり、あるいは化粧や宝石なども本来は魔除けです。あとは、音による魔除けや色による魔除け、方角の魔除けや形による魔除け、植物や樹木での魔除けもあれば、お札やお香、狛犬やシーサー、人形など挙げればきりがないほどです。

それだけ清浄や浄化をするように古来から努めてきたのかもしれません。私たちは気を付けていないと欲望や魔が差すようなことに遭遇することがあります。

普段はそんな人ではないのに、何かにとり憑かれたように別人になってしまう人がいます。感情に呑み込まれたり、よからぬことをしようとしたりと魔が差すのです。これは環境の影響が大きく、人は環境によって多大な影響を受けるということを意味します。

例えば、いつも部屋を綺麗に掃除し調えて清浄な暮らしをしていたら心身もまた穏やかに落ち着いて調っています。しかし、荒んで汚れてゴミが増え、あちこち物が散乱として穢れたところにいると乱れた暮らしで心身が傷んでくるものです。

どんな環境下にいても影響を受けないという境地を体得している方もおられるかもしれませんが、ほとんどの人は環境の影響を受けるのです。

だからこそその都度、魔除けというものは創造され人々の暮らしを見守ってきたように私は思います。時代が変わって、今では情報社会のなかでありとあらゆる情報が氾濫して心身が荒み乱れることも増えているように思います。

だからこそ、この時代の魔除けが新たに必要ではないかとも感じています。そこに私は場を用いているのです。暮らしフルネスの場を感じることで、この時代の魔除け方も学び直すことができます。

子どもたちに新たな場を創造し、いつまでも魔除けになるような体験を伝承していきたいと思います。

 

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