火の光

本日は、英彦山の守静坊で夏至祭を行います。生憎の雨ですが、雲の上には太陽はいつも通り存在しています。その証拠に、朝早くから光が雲を通して緩やかに地上へ届き温度も次第にあがってきます。

この日は、一年で最も昼の時間が長くそして夜が短くなります。明日は満月で太陽の光が月に反射して夜を照らします。そう考えてみると、この光というものが地球全体をいつも包んでいるというのが本質ということになります。

光がおりてきて私たちはその光のなかで暮らしを営みます。その光を結び付けているものが火であり水であるともいえます。この火と水をもって供養しお祀りすることが私が甦生しているお山の暮らしのなかで実践する夏至のお祀りということになります。

私は宗教でこのようなことをやっているのではなく、むかしの懐かしい先人たちの暮らしを今の時代でも甦生しようと取り組んでいるだけです。神鏡をつかったり、法具としての法螺貝を吹いていると修験道や神道かや、あるいは般若心経や線香をたけば仏教か、あるいは陰陽道かなどといわれますが宗教とは一切関りがありません。先人の知恵や叡智を尊敬し尊重している結果やご縁によってそれが使われているだけです。

形式的なものや敷居があまりにも高くなった取り組みは専門の先生方のお役目としてご教授いただけると有難く思っていて、私はそれよりも「暮らし」の方にこだわっているので日常のなかの喜びとして祈りやお祀りをしています。

夏至に戻りますがこの日は縄文時代から祭祀を行ってきた歴史があります。むかしの人たちは世界中で日時計を設け、イギリスのストーンヘンジなども有名ですが巨石の位置を定め太陽を確認して暮らしてきました。

この夏至と冬至は、ちょうど太陽の巡りが変わる大切な日です。現代のようにスケジュールを中心に自分の予定を動かす価値観や意識ばかりで生きていると、私たちが光に活かされていることを忘れてしまうものです。

せめてそんな忙しい日々の時間のなかでも一年に一度は、暮らしの中でいのちをいただいている太陽の光に深く感謝することを子孫たちも伝承していきたいと思います。

世界の子どもたちがいつまでも安心して穏やかに暮らせるように皆さんと一緒に火の光と共に祈りたいと思います。

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