新たな食育

エネルギーというのは、不思議なものでその活用において等価交換するものではありません。少しのエネルギーでも大量の活動をすることもあれば、膨大なエネルギーでも少ししか活動できないものがあります。

エネルギーにも気力体力精神力というようにそれぞれの力のエネルギーが存在します。エネルギーは、他にも徳力や場力、生命力など様々です。

私たちの暮らしではそのエネルギーをあらゆるところから転換して活用しています。これは自然界も等しく、すべての自然はそれぞれにエネルギーを発揮しあい交換しながら循環させています。つまりエネルギーは、私たちの活動のすべての根源ということになります。

このエネルギーという言葉の由来を調べるとギリシャ語で「仕事」を意味するergon(エルゴン)とあります。そして活動している状態のenergos(エネルゴス)を古代ギリシャの哲学者アリストテレスがenergeia(エネルゲイア)と創作したといます。アリストテレスは、種のように動きのないものを「デュナミス」、花のように活動しているものを「エネルゲイア」と呼んだのが起源です。

このエネルギーを一般的に私たちは力とも呼びます。「力」という漢字の成り立ちは、畑を耕す農具である「すき」の形をかたどった象形文字です。そしてこの力のことを私たちは別の言い方で「はたらき」ともいいます。そのものに元々具わっている活動力のことです。

力はそれぞれに性質も種類も異なりますが、すべてのいのちははたらきを以って活動しています。

一汁一菜や一汁三菜というものがあります。これは日本の和食の生き方が形になっているものです。今のように西洋の栄養学が当たり前になっている現代では、高カロリーで肉食をはじめ贅沢なものを摂取することでエネルギーが発揮されるといわれます。しかし実際には、日本人の古来の食文化の方がエネルギー効率も活動も現代よりも数倍から数十倍発揮されます。

私たちは一つのエネルギーを何によって増幅するのか。その一つにお米があります。むかしの人は玄米のおむすびと梅干しやお漬物があれば、相当な活動ができたといいます。

私たち現代人がなぜ疲れたりだるかったりするのか、そこには本来のエネルギー転換の仕組みを忘れてしまっているからかもしれません。本来の食育の伝承は生き方の伝承だったはずです。その一つにこのエネルギーが関係していることは間違いありません。

子孫たちのためにも、古来からのエネルギーの生き方を伝承し、新たな食育を実践していきたいと思います。

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