天に還られた恩人は純粋な魂の人でした。その方は魂だけを見続けてこられました。魂とは何か、それはその人が身体を借りてまで果たしたい使命のようなものです。何回も何万回もあるいは永遠に繰り返しながらも達成しようとする志です。
これは濁っている水が透き通り透明になり光が出ます。その光を見つめているのに似ています。私たちは命を思うとき、光を見出します。光には、何か深いものを照らす力があります。魂を観るというのは、光を観るということでもあります。この魂や光こそがいのちの根源のエネルギーです。
恩人はこの根源のエネルギーだけを観続ける方でした、そして信じる人でした。天寿天命を全うされるまでそういう人生を歩んでこられました。何が起点であるのか辿り、その魂との対話を語られました。同時に、観極めたその魂を全身全霊で支援しようと決めておられました。
そして理想とは別に現実の実践としてご自身の「清水義晴人生理念」というものも定めておられました。「一つは、住みよい世の中の実現に寄与する。二つは、新しい愛の成立に奉仕する。三つ目は、人間の一体的なつながりを推し進める。四つ目が、達成の喜び豊かな人生を築く。」というものでした。常に理想と現実を合わせるために実践を欠かさない徹底した生き方をなさっておました。
生前、ある時「美しい合理性」という言い方をなさっていました。これは、本物の合理性は真心のことであり心を尽くすことほど美しいとも。そしてその日本人の真心が美意識であるとも。
この美意識の中に日本の心があり自分の中にも連綿と流れ続けていることを信じそれを思い出し引き出し続けていくことを教えていただきました。
また刷り込みとは大人びた心であり、子ども心は刷り込みのない初心(うぶ)な心であるとし、そのために澄んだ場や素直に育つ環境の大切さを語っておられました。
日々に使う文字や言葉をとても大切にされておられ、丁寧に真心を盡して文字や言葉を紡いでおられました。それを詩と呼びました。
色々と教えていただいたことは、今は私の魂や血肉となって一体になっています。
まだまだお話足りないことが山ほどありました。お電話できなくなったこと、お手紙を交換できなくなったことは寂しくもありますが魂の和合のままに一緒に子孫の永続する幸福な未来のために日本人の真心を甦生させていきたいと思います。