現在、グローバル化して世界との距離が近づいていますが反比例して日本人とは何かという根源的な民族の美意識や生き方の方が失われてきているようにも思います。私たちは日本人ということを文字や文章で教わってはきていません。そもそも生き方や伝承というものは、一緒一体になった暮らしの中で紡がれてきたものです。そういうものが失われてきたから同時に日本人もまた失われたように私は思います。
現代人の生活環境はどうなっているのか、よく観るとほとんどかつての暮らしは失われています。住環境においても西洋建築になり、使っている言葉も横文字中心や造語になり、食生活も和食よりも洋食になり、着ている服もあらゆるものが西洋のものです。
明治時代に、ほとんどそれまでの日本文化を否定し西洋文化に入れ替える作業を行いました。反対したものは悉く排斥され、西洋化を促進しました。本来は、じっくりとゆっくりと長い時間をかけて融和融合し消化吸収していくものを一切無視をして西洋化を促進したことであらゆる歪が生れました。それが戦中戦後も続き長い時間をかけてようやく落ち着いてきています。
だからこそ、ここにきて日本人とは何かということを真摯にそれぞれで見つめ直す時が来ているのではないかと私は思います。そのためにはまず懐かしい日本人から学び直す必要があるように思います。
懐かしい日本人とは、日本の心技体を備えた誠の日本人のことです。歴史をよくよく省みて、先人たちの生き方や智慧やその真心に私たちは本物を感じます。素直に正直にその人物の遺徳を偲べはより深く学び直すことができます。
時代が変わっても、私たちが日本人として大切に受け継がれ連綿と繋がってきた生き方の伝承は普遍的な道となって今でも私たちの生きる道しるべになっています。
私はだからこそ、暮らしフルネスにこだわり、懐かしい暮らしや場、そして生き方にこだわります。子どもたちや子孫たちへ日本人の余分が根から入っていけるように根のある生き方を実践していきたいと思います。