食歴

現在、日本では外食産業が発展しどこでいつでもご飯が食べられるようになっています。24時間営業しているところも増えて、外でご飯を食べることは当たり前になっています。

しかし歴史をよく調べていくと、それもほんのこの数十年での変化であることがわかります。江戸時代は、屋台がほとんどで中期ごろより江戸大火の後に職人さんたちが全国から集まり屋台のほかに、ご飯を食べられるところとして奈良茶飯が流行り、今でいうファミリーレストランのようなものがはじまったといいます。

それでも明治以前までは、食事は序列があったりしきたりがありましたから女性はほとんど外食などはせずまた家でちゃぶ台で鍋を囲むようなこともなかったといわれます。それが次第に西洋化していき新たな自由が増え女性や若者たちの社會進出によって洋食なども取り入れられ戦後はバブル期にあわせて外食産業として本格的に外で食べる文化が広がっていきました。

食卓には世界中のあらゆる食材が並び、まるで多国籍料理のような食生活になっているところもあるともいいます。またファーストフードやドライフード、電子レンジなどで便利なものが増えましたから毎日の食卓の食事風景も変わってきています。

同時に食べすぎや飲みすぎ、あるいは添加物や嗜好の方よりなどもあって健康にも問題が出てきて、一汁一菜や一汁三菜などがまた認められてそれを食べる人も増えているともいいます。

今まで私たちの民族が何をどう食べてきたか、それを食歴ともいいます。そして自分が人生の中でどのようなものを食べてきたかもまた食歴です。そして時代の変遷で人々が何が流行り、どのような食生活をしてきたかというものも食歴です。

この食歴をよく観察すると、自分たちの文化や、日頃の生き方、また民族の智慧や伝承なども観えてきます。

この先の100年、あるいは500年、1000年先の食歴はどうなっているのでしょうか。今のこの時代は、世界中のあらゆるものを養殖したり栽培して輸入します。そしてあらゆる科学調味料で調理されます。伝統なども無視して便利なもので手軽に美味しいものばかりを食べています。この食歴がこの先にどのような影響を与えていくのか、眠さんはどのように予測するでしょうか。

食歴から学び直して、どのような食を甦生していくか、子孫のために考えて取り組んでいきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です