昨日は、福岡県朝倉市秋月で鎧揃えに法螺貝をもって参加してきました。これは島原の乱より秋月藩が武運長久と尚武の精神を培うために行ってきたものです。一度途切れたものを60年ぶりに復活させ、少しずつですが人数も鎧も増え行列も凛としてきています。法螺貝の数も少しずつ増えて、見学に来られる関係者も増えてきました。こうやって伝統が甦生し新しくなっていく現場に参加できることに深い感謝の念が湧きます。
秋月という場所の力、またその環境で生きてきた人たちの実直さ、そこに連綿を続いてきた秋月の武士道精神を深く感じます。
そもそも私たちは武士というものをもう知らない時代です。かつては常に武士は道徳規範を学び、常に自らを律して義を重んじ、日頃から生活を調えて質実剛健に暮らしていました。
そういう人たちが戦うということになると、卑怯なことをしない、醜い殺戮はしないと、先祖の誇りを胸にお互いに礼をもって生死を懸けていきました。それが鉄砲をはじめ、大量の殺戮兵器が開発され武士でもない農民や一般人がその道具を使い出してからそういう武士道的なものが失われてきたように思います。ただ勝てばいいという具合です。
昨日、米沢藩と秋月藩の大筒を使った砲術の交流があっていましたがその取り組む姿勢や一つ一つの作法に武器を扱う側の人間の人格のようなものを感じます。人間性を失わないでいることに武を磨くのです。
武士道とは何か、改めて学び直す一日になりました。
引き続き、古来から大切にしている先人たちの生き方を子どもたちに伝承していきたいと思います。