人間らしさや人間性というものを深めていると色々と気づくことがあります。一般的な定義では、道徳性や思いやりなどを指すようですがでは人間らしくないというものや人間性が低いというものがどういうことか。
例えば、人間らしくないというものは元々持っている人間の要素がないことをいいます。ロボットのように便利なものであったり心がなかったり、何も感じないものです。人間性が低いというのは、道徳的な行動がない人をいいます。自分をコントロールすることができずに荒んでいるなどです。しかし同時に人間臭いという言葉もあるように、コントロールできないけれどそれを何とかコントロールしていこうとする姿を人間として共感するというものもあります。
結局、人間とは何かという問いは当たり前の真理であるにも関わらず四六時中に常に意識することはありません。
私が思う人間性とは、心や感覚を研ぎ澄ませて自然と寄り添い全体を活かす存在です。精霊のような自然界のいのちを調え、静かに穏やかに自らの聖性を全うする。さらに細かく言えば、物た心を大切にし、感謝を忘れずに真心を生きる。丁寧に暮らし、いのりを生き、ご縁に従い最善を盡す。天地自然と同化し、徳を積み、循環の結びを澱まないように歩んでいくというものです。
人は人間性を失うとき、自然から離れます。自然というのは常に人間性と共にあります。私たちが自然に寄り添うとき、人間性は発揮されます。非常に残念なことに、自然に敵対し自然を排除し人間は人間性を失い続けています。
今一度、人間性を取り戻すにはどうすればいいか。
そこには先人たちが生きてきたような暮らしから学び直すことしかありません。便利な道具や欲望を満たす道具が増えていけばいくほどに、私たちの人間性は失われ続けます。
自然から離れることで好き勝手できてきましたが、そのことから人間性を失わってしまえば本末転倒です。いにしえの原初の原点に帰り、人間は人間をやり直すことからこの世を甦生させていくしかありません。
子どもたちに何を残していきたいか、それは真に豊かな人の道ではないかと私は思いますが皆さんはどう思いますか?
丁寧に一つ一つ意識を変えて、道を拓いていきたいと思います。