先住民族の智慧

スリランカで人類最古の先住民族ワニアレットにご縁を得てから、改めて日本の先住民のことも深めてみることにしました。日本にもかつてはサンカやアイヌという先住民族が暮らしていました。狩猟採集生活をし、古代よりずっと山や森に棲んでいたといいます。

そもそも今、私たちの認識している歴史というものは勝者の歴史であり大多数の人たちが教科書及び、国家の指導によって編纂された認知した偏ったものです。歴史というのはまさに多様性であり、本来はそれぞれの種類の人たちから丸ごと聴いて確認することで全体の真の歴史観が磨かれて顕現してくるものです。

多様な民族の神話にはじまりそれぞれの暮らしの中の口頭による口伝、及び実践伝承されてきたものの集合知、集大成こそがこの地球や国土の真の生きているままの歴史ともいえます。

現在のスリランカで先住民族たちの歴史や暮らしが国家により奪われていく姿を目の当たりにして、私たちの国は本来はどうであったのかということを今一度見つめ直してみたいと感じました。

よく考えてみると、山岳修験というものや山岳信仰というものは自然と共生するなかで得た智慧が結集したものです。先住民たちは、薬草をはじめ様々な治療技術を持ち、また狩猟採集によって自然の掟や伝統を守ってきました。さらにはすべての生き物たちと調和し、いのちの循環を促してきた存在です。これは古代のむかしからずっと永続してきた人類のありのままの姿です。人間らしさの徳というものもまた、こういう環境と歴史によって磨かれてきたものであったはずです。

そう考えてみると私がお山の暮らしに惹かれるのは、どこかルーツや根源に惹かれているからかもしれません。本来、私たちの先祖は何処からきたのか。今回のスリランカでのご縁で、何か自分の深いところに眠ったままにいるものが呼び覚まされてきています。

それはかつての先住民族たちの智慧と暮らしの覚醒です。

今の時代だからこそ、先住民族たちの徳に触れ、その徳に救われる時ではないかと思うのです。子孫たちの仕合せで豊かな未来のためにも、これからじっくりとヒコサン・ヤマトとマヒヤンガナ・スリランカを起点にして深めていこうと思います。

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