昨日は浮羽の古民家甦生の件で、お水の検査をするために井戸水を採取しにいきました。井戸のお水の温度は一定で冬の寒さ厳しい空気のなかではとても暖かいぬくもりを感じます。
このお水のぬくもりというのは何処から感じるものか。それは地中のぬくもりから感じるものです。この地中というのは、地球の温度があります。表面的な地面は、外気の影響を受けたり日光の影響を直に受けますから変化は大きくなります。しかし、地中はゆるやかに数十年、数百年、あるいは数千年をかけてじっくりと影響を受けて変化しています。その温度を蓄えているのです。そしてそのぬくもりが入っているのです。
私たちは身近な寒暖はすぐに感じます。しかし、地球の深部の寒暖などはほとんど感知していないものです。しかし実際には、悠久の歳月が地球を温めています。私たちの生命がこの地上で謳歌できるのも地球が長い時間をかけて温められてきたらです。まるで鳥の卵のように温度によって生命は孵化します。その温度を地中から吸い上げていくのも植物や木々たちであり、太陽の熱を吸収しながら地上の温度を調整するのもこのぬくもりを循環させているからです。
このぬくもりの循環を最も担うのが、お水です。
お水を感じる時、私はそのぬくもりも一緒に感じます。これは単に冷たいとか温かいとかいうものではなく、そのお水そのものがもっているぬくもりを感得するのです。
例えば、自然の火で時間をかけてじっくりと待ったお水は冷えたとしてもそこにぬくもりを感じます。人によっては「まろやか」になっているという表現をしたりもします。
このぬくもりやもまろやかは循環の味のことです。循環する味わいを実感することがお水によってできるということです。私たちの生き方もまた、このお水に倣って世の中をぬくもりのあるまろやかな社會にしていくと調和や仕合せを感じることができます。
立春になり、本年の目標を定めていますが「お水に學ぶ一年」にしようと決意を固めました。蛇年に相応しい脱皮の年にしていきたいと思います。