久しぶりに鞍馬山に来ています、このお山は私を形成していくのに本当に大きなご縁とお導きをいただいたお山です。現在の英彦山での暮らしにも深く結ばれ、お山縁を感じます。
もともと鞍馬山は、天狗大僧正がいるお山です。大地の魔王尊、鞍馬天狗です。今日は、その鞍馬魔王尊がある光明神殿の護摩供養があります。
鞍馬弘教では、鞍馬寺に祀られる尊天の一尊である大天狗、護法魔王尊、またの名を鞍馬山魔王大僧正が鞍馬山僧正坊を配下に置くとするとあります。大僧正というのは、僧官の呼び名の一つで最初が行基とあります。
私は幼い頃から源義経が大好きで義経に剣術や生き方を教えたのが鞍馬天狗とあり、心にずっと残っていました。英彦山で育ったのもあり、天狗はとても身近な存在でした。破邪顕正といって、邪道を戒め、清らかで美しい生き方を実践することを尊ぶのは正義感溢れる幼少期には憧れの存在でした。
ご縁あって、約20年以上この鞍馬山にお世話になりご指導をいただいてきました。御蔭様で、霊性を磨くことの大切さ、いのちに包まれている安心感、そして丁寧な暮らしと実践の重要性を学びました。
今の私の半分は、この鞍馬山でできているといっても過言ではありません。そしてもう一つが英彦山ということになります。
霊峰と呼ばれる霊山には、大天狗が鎮座します。
この大天狗とは何かということです。
山伏や修験者たちは、この存在を「権現」と呼びます。権現とは、自然が顕現した姿そのもののことです。この世のすべて、宇宙からあらゆるものに至るまでそのものにはそのものの徳が具わります。その徳を観つめて、徳を引き出すとき私たちは自然の叡智を感得します。
霊峰霊山は、まさに徳の蔵です。クラマ山は、文字通り、魔の蔵です。大自然そのもののいのちの塊です。このお山に来ると、何か暖かく凛とした空気を感じます。懐かしい心の故郷、日本人の自然のままの源流を思い出します。
こういう場が、いつまでも変わらずに大切にされていることに感謝ばかりです。信仰は、宗教や教義ではなく自然あるがまま、自然そのもののお姿、まさに地球のいのちです。
ありがとうございます。