英彦山の守静坊では、梅の花が満開です。今年は不思議なことに、梅と桜と椿と三椏がまったく同じタイミングで満開になっています。本来、梅はもう少し早めに咲いていますが今年はだいぶ開花を遅らせてきました。その分、桜の方も少し遅れているといいます。
しかしよくよく経過を観察すると昨年のことから色々と変化していることを感じます。昨年は、梅の花が咲くころに寒波がきて虫媒花である梅の花に虫が飛来せずほとんどが受粉できなくて梅の実ができませんでした。
毎年大量の梅ができ、梅干しづくりができるのですがほとんど収穫できずに終わりました。梅からすると、なぜこうなったのかを自然から直感し今年は少し遅らせることで虫が飛来する時機に合わせたようにも思います。そして虫たちもまた同様に、早く冬眠から覚めるのではなくじっくりと時を待って目覚めています。
そういう私の方も、昨年のサクラ祭りで学んだことを改善し今年は供養を中心に場づくりと関わる内容を増やし調える方法や仕組みも変化させています。
不思議なことですが、同じ場においてみんなで「変化」しているのです。それは私だけではなく、虫や鳥、木々や家、場全体においてそれを行っています。これはみんなで変化を優先して好循環しようと精進しているからです。
自然というものは、常に循環を已みません。
そしてその循環を好転させるものは、変化です。変化することこそが好循環を促進していきます。変化とは、學ぶことでありそれまでのこだわりや執着を捨てて全体快適に合わせて時を待つことです。
時は思い通りには進みません。しかし変化は思った以上の好機に巡り会います。有難いことに、自然は何度でもチャンスをすべてのいのちに与えているのです。
子どもたちには、この先の時代が大きく揺らいでも安心して暮らしていけるようにその時々で自然との調和や好循環することの変化の徳を場で伝承していきたいと思います。